長男・翔太郎氏のせいだけではない…岸田首相は解散できないという重要な根拠「安倍元首相とは雲泥の差」
5月31日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系列・平日・8:00)は岸田内閣の支持率を紹介した。国会議員の世襲問題を扱った際、読売新聞と日本経済新聞の内閣支持率を比較したのだ。担当記者が言う。
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「首相側近や各政党の幹部は“世論の風向き”を把握しようと様々なアンテナを張り巡らせ、中でもマスコミの世論調査を重視しています。統計学の専門家などは『異なるメディアの調査を比較しても意味がない』と指摘しますが、読売と日経というように調査元が異なっても、数字の比較が幹部の肌感覚と一致することも珍しくありません。『モーニングショー』の放送内容は『永田町で各社の世論調査がどう使われているのか』が垣間見えたという意味でも興味深いものがありました」
具体的に見てみよう。岸田文雄首相(65)は、長男の翔太郎氏(32)を首相秘書官に起用していた。
ところが、5月25日に発売された「週刊文春」(6月1日号)は、翔太郎氏が首相官邸で忘年会を開催したと報道。「ひな壇」での記念撮影など常識を疑う行為に及んでいたことを写真と共に伝え、世論は強く批判していた。
文春が発売される前の5月21日、読売新聞オンラインは「岸田内閣の支持率56%、サミット効果で9ポイント上昇…読売世論調査」の記事を配信した。
そして発売後の5月28日、日本経済新聞(電子版)は「内閣支持47%、5ポイント低下 首相長男の行動影響か」との記事を配信したのだ。
解散にも影響
「『モーニングショー』は2社の世論調査を取り上げ、岸田内閣の支持率は読売が56%でしたが、日経は47%に低下。不支持率も読売が33%でしたが、日経は44%に上昇したと紹介しました。さらに《総理周辺》が、翔太郎氏の不祥事で『サミット効果が吹っ飛んだ』と危機感を募らせたと報じたのです」(同・記者)
岸田首相は翔太郎氏を更迭し、世論の沈静を狙った。ここから「モーニングショー」は「世襲議員の問題」を議論したのだが、マスコミ各社の世論調査は「衆議院解散」の判断にも大きな影響を与えているという。
ベテランの政治記者は「自民党の幹部を取材すると、マスコミ各社の世論調査を精読し、衆院解散の可否を熟考していることがよく分かります」と明かす。
「確かに、サミット効果で岸田内閣の支持率は上昇しました。しかし、翔太郎氏の問題行動が報道されると、一気に支持率は下がってしまったのです。つまり、有権者は岸田首相に全幅の信頼を寄せているわけではなく、その時々の政局を見ながら支持と不支持に揺れ動いていることが分かります」
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