中高年男性がハマりやすいネットポルノ その功罪をベテラン官能小説家が分析すると

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元気が出るなら、そう悪くもない趣味だが

 電子書籍を合わせて200冊近い官能小説を出版した作家の末廣圭氏は、中高年層が中毒になりやすい理由として以下を挙げる。

1.脳の中にセックスの快楽が記憶されている:勃起力など身体機能が衰えていても、食欲や名誉欲と同じく性に対する欲望が残されている

2.時間にゆとりがある:特にリタイアからまだ数年の定年退職組は、毎日が日曜日で暇

3.外で求めたくても相手が見つからない:更年期を過ぎたパートナーともども行為の回数が少なくなる世代

4.性娯楽施設で遊ぶカネがもったいない:風俗店や成人映画館、ストリップ劇場などに足を運びたいが、自宅で気軽にいつでも観られる無料のネットポルノで我慢する

 以上の分析から、末廣氏は「ネットポルノを観て生きる元気が出るなら、そう悪くもない趣味です。誰に迷惑をかけるような行動でもない。ただ、興奮して外に飛び出し、女性相手に事件を起こすようなことはダメですが」と、語る。

「ポルノビデオ中毒で無気力や勃起不全になるという見解は、確かに一理あります。でも、もとから年齢的に勃起不全の人には当てはまりません。中高年の“趣味”としては人に言いにくく、人によっては自己嫌悪に陥るでしょう。ただし、ネットポルノ鑑賞で刺激を受けて、昔を回想することで脳の活性化を図り、『まだ元気に生きよう』という気持ちが起こるのなら、そう悪いことではないと思います」(末廣氏)

 末廣氏の作品には、40代くらいの女性読者も意外と多いという。

「女性は年を重ねると、行為を求める気持ちを言葉や態度で示す機会が少なくなりがちです。でも、男性とそう変わらない性欲の人もいるもの。老夫婦の性生活に、ネットポルノが刺激になるという話も耳にします」(末廣氏)

 老いも若きも、やはり“節度”が重要なネットポルノ。夢中になっているうちに架空請求などの詐欺に巻き込まれるケースも、もはやネット犯罪の“定番”だ。末廣氏も「鑑賞者側の後ろめたさを逆手にとり、法外な金額を要求してくるネット犯罪者(架空請求)は一切無視してください」と語っている。

取材・文/段勲(ジャーナリスト)

デイリー新潮編集部

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