いとうあさこに芸人特有の臭いがしないのはなぜか
明るく爽やかで、どこか品の良さを感じさせる
いとうは初めからお笑いの道を志していたわけではないので、良い意味でそこに縛られていない部分がある。彼女は常に芸能界の高みを目指して憧れを抱き、たまたまお笑いに流れ着いただけなので、芸人特有のコンプレックスや問題意識とは無縁だったのだ。
5月16日放送の「証言者バラエティ アンタウォッチマン!」(テレビ朝日)では「2010年のいとうあさこSP」と題して、いとうあさこの芸人人生を振り返る企画が行われていた。ここでは、彼女が単なる一発屋で終わらずに息の長い芸人となった理由が明かされていた。
いとうのブレークのきっかけとなったのは、前述のレオタード姿の自虐ネタである。その後、バラエティ番組に出る際に、彼女はレオタード姿ではなく普通の衣装を意図的に選んだ。そのことで、ただのキャラクターとして消費されることなく、素の自分を見せることに成功したのである。
すでにアラフォーを超えてアラフィフ世代となった彼女は、相変わらず明るく爽やかで、体を張ったヨゴレ仕事をしていても、どこか品の良さを感じさせる。そんな資質を備えた同世代の女性タレントがほかにいないからこそ、彼女の存在感が際立っている。
いとうが築いた現在のポジションは唯一無二のものであり、今後も長く活躍が期待できるだろう。