「イッテQ!」打ち切り説が流れる背景…実はヤバい“大御所タレントの長寿番組”は?

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本当に“ヤバイ”番組を探る

 次は人気が伸び悩む下位。プライム帯の番組で個人視聴率が2%を切ったら“ヤバイ”というのが、テレビ業界内での一般的な認識である。

1.テレビ東京「ヤギと大悟」(金曜午後7時25分)
個人1.0% コア 0.7% 世帯1.6%

2.TBS系(制作・毎日放送)「推しといつまでも」(月曜午後ろ10時)
個人1.3% コア1.2% 世帯2.2%

3.テレビ東京「有吉ぃぃeeeee!~そうだ!今からお前んチでゲームしない?」(日曜午後10時)
個人1.6% コア2.0% 世帯2.5%

4. テレビ東京「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」(金曜午後9時)
個人1.7% コア0.6% 世帯5.2%

5.TBS「再現できたら100万円!THE神業チャレンジ」(火曜午後7時)
個人1.7% コア1.3% 世帯3.0%

 4月からレギュラー化された「ヤギと大悟」は千鳥・大悟(43)とヤギのタンポポ(通称・ポポ)が主役。大悟とゲストがポポに雑草を食べさせながら、緑豊かな地域を散策する。独創的な番組であるものの、視聴率は深刻なまでに悪い。

 半面、レギュラー化の当初は編集の一部が冗漫に映ったものの、それが解消されたため、いつ浮上してもおかしくない。残る大きな問題は放送時間帯。他局が1時間番組をやっている最中の午後7時25分からスタートするのは誰の目にも不利だ。

 この番組に限らず、テレ東の編成にはナゾが目立つ。典型例が「家、ついて行ってイイですか?」(日曜午後9時)である。熱心なファンの多い番組だが、今年はまだ11回しか放送していない。3月は僅か1回。いつ放送するのか、よく分からない。これでは視聴者が離れてしまう。勿体ない。

 指原莉乃(30)と麒麟・川島明(44)がMCを務めている「推しといつまでも」もかなり厳しい。指原と川島が一番しんどいだろう。企画に無理があるように思えてならないからだ。

 一般視聴者が強い思いを寄せている著名人(推し)と対面する番組。推している著名人側が推す側の自宅に訪れ、もてなされる。両者は感激する。推す側は涙を流すこともある。

 だが、その感動を観る側が共有するのは難しい。推す対象は人によって違うのだから。現状では見ず知らずの人の結婚式に出席させられて、花嫁と父親が感極まる姿を見せられるのに近い。

 大御所たちの番組も順風満帆ではない。松本人志(59)、設楽統(50)、小池栄子(42)がMCのTBS「クレイジージャーニー」(月曜午後9時)の視聴率が上向かない。個人2・3%、コア2.3%、世帯3.6%である。

 独自の視点を持って世界の危険地帯などを巡る番組。2015年から深夜に放送されていたものの、不適切な演出が発覚したため、2019年に終了した。2022年10月から再開されたが、失速が続いている。

 アナーキーな臭いも売り物の番組なので深夜向きだったのか、それとも不適切演出のマイナスイメージが響いているのか。松本がどう対処するのかが注目される。

 明石家さんま(67)が司会のフジ「ホンマでっか!?TV」(水曜午後9時)も苦戦中。視聴率は個人2.6%、コア2.1%、世帯4.5%。同じ時間帯の日テレ「上田と女が吠える夜」は個人5.6%、コア4.6%、世帯9.4%と高い数字をマーク。食われてしまっている状態だ。

 さんまが司会を務める日テレ「踊る!さんま御殿!!」(火曜午後8時)のほうは個人5.2%、 コア3.7%、世帯8.4%と上々。このため、「ホンマでっか」の苦戦はさんまの責任ではないだろう。

 レギュラー放送の開始から13年。視聴者は変化を求めているのかも知れない。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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