「イッテQ!」打ち切り説が流れる背景…実はヤバい“大御所タレントの長寿番組”は?

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 日本テレビのバラエティ「世界の果てまでイッテQ!」(日曜午後7時58分)について複数のメディアが打ち切り説を報じた。その真偽を日テレ制作関係者に確かめた。また、ドラマと比べ、報じられる機会が少ないバラエティの視聴率を調べ、本当に打ち切りもあり得る番組を探った。

いまだ「世帯視聴率」で測られがちな人気度

「打ち切るはずがないでしょ」

 「イッテQ」の終了説について日テレ制作関係者に尋ねると、強い口調で否定された。

 確かに打ち切られる視聴率ではない。5月14日放送分は個人8.1%、コア(13~49歳の個人視聴率)8.7%、世帯10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。この個人とコアは5月第2週(8~14日)のプライム帯(午後7~同11時)の全番組の中でトップだった。この週に限らず、「イッテQ」は個人とコアがトップという週が目立つ。

「『イッテQ』はウチで一番収益率が高い番組。やめるほうがおかしい」(同・日テレ制作関係者)

 行動が活発なコア層の視聴率が良いので、CMが高く売れるのだ。ここでコアが良いと、どれくらいCM売上高が伸びるのかを示したい。民放のツートップである日テレとテレビ朝日を比較することで表す。

 2022年度(2022年4月4日~2023年4月2日)の全日帯(午前6時~深夜0時)の個人視聴率は日テレもテレビ朝日も3.6%。プライム帯は日テレ5.4%、テレ朝5.6%だった。ほぼ互角だ。

 ところが、CMの売上高は日テレ2369億800万円に対し、テレ朝1791億4100万円。日テレが大きく上回った。コアが良いからである。

 2022年度の全日帯のコアは日テレが2.9%に対し、テレ朝は1.4%。プライム帯のコアは日テレが4.7%でテレ朝は2.8%。この差がCM売上高に反映された。

 では、どうして「イッテQ」の打ち切り説が流れたのか。一番大きな理由は番組の人気度がいまだ世帯視聴率で測られがちだからではないか。

 3年前からテレビ界では世帯視聴率が実務で使われなくなり、標準指標は個人視聴率に移行している。それでも世帯視聴率が2桁を割ると「不振」「打ち切り」などと言われる風潮がテレビ界の外にある。

 世帯視聴率には複数の欠点がある。例えば、家族のうち1人しか観ていない時も4人で観ている時も同じ1カウントとなってしまう。だから関東地区では1%が約42万人とはっきりしている個人視聴率と違い、視聴総数が出ない。

 高齢者が好む番組ほど数字が高くなるのも特徴。高齢者は人数が多い上、テレビの視聴時間が長いからだ。平日の場合、30代の視聴時間は約1時間47分だが、60代は約4時間14分に達している(2021年、総務省調べ)。

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