血圧、血糖値、中性脂肪の低下を証明、運動と同じ効果も? 万能薬・お酢の知られざる効能とは
高血圧、肥満、糖尿病、脂質異常症など中高年を悩ませる生活習慣病の予防・改善に役立つ「お酢」。今年2月、本誌(「週刊新潮」)はそんな「万能薬」お酢の科学的効能を詳報した。だが、お酢にはまだまだ知られざる一面が。「お酢博士」こと多山賢二氏に改めてその実力を聞いた。
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私たちの身近にある調味料「お酢」。その起源は紀元前5000年ごろまで遡るといわれていますから、人類の歴史はお酢とともに発展してきたと言っても過言ではありません。
今年2月、本誌でお酢が高血圧や肥満、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の予防に大きな効果を発揮することをお伝えしました(2月16日号「“万能薬”『お酢』に科学的根拠」)。ただ、そこで紹介できたのはお酢の実力のうちほんの一部。お酢には生活習慣病に対する予防効果だけでなく、私たちの食生活をより健康で安心なものにしてくれる素晴らしい機能が他にもたくさんあるのです。
健康効果は酢酸に由来
そんな身近なお酢の実力について紹介する前に、まずは前回のおさらいを簡単にしておきましょう。
穀物酢、リンゴ酢、黒酢などお酢にはさまざまな種類がありますが、健康効果をもたらしてくれるのは、全てのお酢に共通する主成分である「酢酸」です。
1980年代には「鹿児島に健康長寿が多いのは、地元の“黒酢”に秘密がある」という仮説から黒酢が大ブームになったこともありました。だから「お酢の健康効果」と言われると、陶器の甕(かめ)に入れて熟成される黒酢をイメージする人も多い。しかし、その後の研究で、お酢の健康効果は黒酢特有のものではなく、酢酸に由来することが分かったのです。
黒酢は少し値段が張りますが、穀物酢やリンゴ酢であれば近所のスーパーでも150円~数百円程度で購入することができる。この身近さと手頃さはお酢の魅力の一つといえるでしょう。
さらに、お酢を摂取するのは非常に簡単。水と同じで熱を加えると蒸発しますが、気を付けなければいけないのはそれくらい。加熱によって成分が失われることもありませんし、薄めればそのまま飲むこともできる。健康被害もほとんどないため手軽に摂取を継続できるのもお酢の強みです。
前回紹介した高血圧予防の効果を証明した実験も、そんなお酢の手軽さを利用したものといえます。
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