「登記人が江戸時代生まれ」の家屋敷が騒動に 100人を超える相続権者、なぜ放置された?

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登記費用を払わないために放置

 どうしてこんなことが起きるのかというと、これまでわが国では、相続登記をしなくても罰則がなかったのだ。相続に詳しい弁護士によると、

「登記費用を払いたくない等の理由で放置しているケースが多いのですが、孫や曾孫の代になると自分が相続していることも分からなくなってしまう。それもあって日本には所有者不明土地が410万ヘクタールもあるのです」

 九州以上の面積が所有者不明の土地だとは驚きだが、もちろん、国も傍観しているわけではない。

「2021年に民法・不動産登記法が改正され相続登記が義務化されたのです。来年4月より、相続を知ってから3年以内に登記手続きをしなければ、10万円以下の過料が科せられるようになりました」(同)

 ちなみに川口市の家屋敷は、子孫全員が登記手続きを行えば、3億円で売れるという。休みの日を使って、家系図をたどってみるのはいかがだろうか。

週刊新潮 2023年5月25日号掲載

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