香川照之の長男・團子が見せた“神がかり的潜在能力” 猿之助の代役で「48時間でせりふや歌唱を全てマスター」

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 御年83の猿翁は引退して久しく、段四郎も10年来舞台を離れていた。中車もまた俳優・香川照之としてのほうが今も通りはよく、歌舞伎界を背負う役者にはなり得ていない。さらには猿之助の不在まで重なった澤瀉屋(おもだかや)の一大危機。だが、19歳の“後継者”が現れた?

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 猿之助に司直の手が伸び、予定された舞台も休演に追い込まれかねなかったところへ、頼もしき救世主か。

「弱冠19歳、中車の実子の團子が事件発生から2日後、東京・明治座の昼公演『不死鳥よ 波濤を越えて―平家物語異聞―』で、主演の猿之助の代役を見事務めて話題を呼んでいます」

 とは演劇担当記者。

「作中、團子が演じる平知盛が“生きて、生きて、生き抜くのだ”とせりふを発する場面では、目頭を押さえる観客が続出。澤瀉屋の代名詞たるクライマックスでの宙乗りシーンにも、大きな拍手が湧きました」

 梨園関係者が舞台裏の緊迫ぶりを明かすには、

「事件後、関係者で協議した結果、團子を代役に立てて何とか舞台は続けねば、という話になりました。もちろん予行演習の時間は必要で、翌日の昼の部を休演にしてリハーサルに当てたのですが、團子の集中力はまさに神がかっていた」

48時間でせりふ、振り付け、歌唱をマスター

 どういうことか?

「團子は事件が発覚した18日午前から代役として迎えた最初の本番20日昼までの約48時間で、すべてのせりふと振り付けだけでなく、歌唱までしっかりマスターしました。とくに歌唱パートは難しくて、通常ならば2カ月ほどかけて稽古を行わなければいけません。團子が持つ計り知れないポテンシャルに、現場は完全に圧倒されました」(同)

 しかも、だ。

「19日のリハーサルは時間に猶予がなく、実のところ通し稽古は行えませんでした。他の役者と共演する場面を確認しつつ、宙乗りなどの技術的なパートを中心に予行演習したものの、せりふを実際に喋る稽古はほとんどできず、半ばぶっつけ本番で挑んだのです」(同)

 終幕後、10分近くもスタンディングオベーションが続いたという舞台は評判が評判を呼び、チケットは全日完売になったという。

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