「プーチンを揶揄」「ロシア軍をナチスドイツになぞらえ…」 ロシアのジョーク「アネクドート」から読み解く本当の民意

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罰金3万ルーブル

 今年3月、リャザン州の男性が大統領とショイグ国防相を皮肉るこんなアネクドートをSNSに投稿した。

 昨年11月、ロシア軍がウクライナ南部のヘルソン市から撤退すると、プーチン大統領がショイグ国防相を叱責した。

「なぜヘルソンから撤退するのだ」

「ネオナチからウクライナを解放せよとのあなたの命令に従ったのですが……」

 ロシア軍をナチス・ドイツになぞらえたユニークな作品ながら、この男性は後に地元の裁判所から3万ルーブル(約5万円)の罰金刑を言い渡された。軍の名誉を失墜させる行為には最高15年の刑を科すとする、侵攻後に採択された改正刑法に抵触したとされた。

 スターリン時代には、スターリンを揶揄するジョークを口にして収容所送りになったケースがあった。

 ペスコフ報道官は記者団の問い合わせに、「ジョークの編集権には介入しない」と弾圧を否定したものの、アネクドートの規制は、「プーチンのスターリン化」を思わせる。

“あなたの命日が…”

 一方で隆盛が目立つのが、ウクライナのジョークサイトだ。同じスラブ系のウクライナにも、政治ジョークの伝統がある。首都キーウのお笑い劇場ではロシアを揶揄するアネクドートがあふれ、笑いが絶えない。

 以下は、ウクライナのSNSやジョークサイトから拾ったが、プーチンを揶揄する作品が圧倒的に多い。

 プーチン大統領が占星術師に占ってもらった。

「1年後の今、私はどこにいるか?」

「あなたはキエフにいます。戦争は終わり、あなたの乗る車の周辺は歓声を上げる市民であふれています」

「私も彼らに手を振っているのか」

「それはできません。棺(ひつぎ)は密閉されています」

 プーチン大統領が占星術師に占ってもらった。

「私はいつ死ぬのか?」

「あなたはウクライナの祝日に死ぬことになります」

「祝日はいつだ」

「あなたの命日がウクライナの祝日です」

 夜中の3時、ロシア大統領公邸で執事がプーチン大統領を起こした。

「夜分に失礼します。ウクライナ側が降伏について大統領と交渉したいそうです」

「遂にきたか。電話を回してくれ」

「それには及びません。武装したウクライナ兵がドアの外で待っています」

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