「プーチンを揶揄」「ロシア軍をナチスドイツになぞらえ…」 ロシアのジョーク「アネクドート」から読み解く本当の民意

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物騒なジョーク

 プーチンは2013年、当時のリュドミラ夫人と離婚した。現在は、新体操の五輪金メダリスト、アリーナ・カバエワが愛人ともいわれているが……。

 プーチン大統領とリュドミラ夫人の離婚が公表された。

 報道官は、「リュドミラ夫人には、住宅とクルマが与えられる」と発表した。

 プーチン大統領には、クリミアとドンバス地方が与えられる。

 ロシアによるクリミア併合後、カバエワが友人にこぼした。

「私は3月8日の国際婦人デーのプレゼントにクレム(クリーム)を頼んだだけなのに、彼はクルィム(クリミア)と勘違いしたようだわ。これではもう、カリャスカ(乳母車)は頼めない」

 カリャスカはアリャスカ(アラスカ)のかけ言葉で、ロシアがクリミアに続いて米アラスカ州の奪還に動くのでは、という物騒なジョークだ。そんな事態になれば、第3次世界大戦は確実だろう。

 クリミアとアラスカは微妙にリンクしている。帝政ロシアは19世紀半ば、英仏両国とクリミア戦争を戦い、敗れたものの、クリミアを死守した。しかし、戦費の急増で財政赤字に陥り、1867年、当時領土だったアラスカを720万ドルでアメリカに売却した。

 資源の宝庫、アラスカの売却は「世紀の愚行」と教科書にも書かれ、ロシア人のトラウマとなっている。

プーチン自身もアネクドートを

 実は、プーチンも記者会見やテレビ対話で好んでアネクドートを口にする。昨年10月、内外の専門家を集めて行う「バルダイ会議」でこんなアネクドートを披露した。

 ドイツ人一家の会話――。

 息子「パパ、なんでこんなに寒いの」

 父「ロシアがウクライナを攻撃したので、ロシアに制裁を科したからだ」

 息子「なぜ制裁したの」

 父「ロシアを苦しめるためだ」

 息子「僕たちはロシア人なの?」

 このバルダイ会議では、もう一つサプライズがあった。司会者が「核戦争が起これば、われわれは殉教者として天国に行く。西側は死ぬだけだ」というプーチンの過去の恫喝発言をただすと、会場は沈黙に包まれた。プーチンは「この沈黙は、発言が効果的だったことを示した」と述べて会場の笑いを取ったが、笑えないジョークだ。

 プーチン大統領が「核戦争が起これば、われわれは殉教者として天国に行く」と述べた。

 これを聞いた天国の神は、NATO加盟を申請した。

 ロシア人1億4千万人が一斉に亡くなり、天国に送られた。

 天国の管理人が「これほど人が多いと、群衆をまとめる指導者が必要だ。誰がいいか」と尋ねると、群衆から「プーチン、プーチン」のシュプレヒコールが沸き上がった。

 管理人が言った。

「プーチンはここにはいない。彼は地獄に送られたはずだ」

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