片山杜秀氏と岡田暁生氏が語り尽くした『ごまかさないクラシック音楽』は、他の入門書とどこが違うのか
ある程度聴きこんだファンのためのガイドブック
書店の音楽書コーナーには、常に初心者向きのクラシック入門書が並んでいる。
「堅苦しいと思っていたクラシックが実は、こんなに面白い」
「むずかしい顔の作曲家が、こんなに人間臭かった」
──しかし、そんなに「面白い」「人間臭い」のなら、なぜ、いつまでも同じような入門書が出つづけるのだろうか。そろそろ「入門書」から次の段階に移るべきではないのか。
もうごまかしのフレーズはやめて、ある程度聴きこんだファンのためのガイドブックがあってもいいのではないか──おそらく、そんな思いをこめてつくられたクラシック解説書が登場した。...