ウクライナ空軍に必要なのは小型攻撃機「AT-6E」 バイデンはなぜ今さら「F-16」の供与を認めたのか

国際

  • ブックマーク

停戦後の必要性

「激戦が続く東部戦線の状況を見ても、ロシアが勝つ可能性はほぼゼロだと分かります。いつか戦争は終わります。これまでウクライナが所有していた航空戦力はミグ29戦闘機など旧ソ連製で、おまけに輸出用の“モンキーモデル”として意図的に性能が落とされたものでした。これまでロシアはウクライナ空軍に脅威を感じことなどなかったでしょうが、F-16が供与され運用を開始したとなると、そう簡単には攻め込めません」(同・軍事ジャーナリスト)

 ウクライナ軍の防衛力を高めるのはF-16だけではない。今、多大な戦果を挙げているアメリカの地対空ミサイル「パトリオット」や、高機動ロケット砲システム「ハイマース」、先に触れた「ストーム・シャドウ」も、引き続きウクライナ軍が運用する可能性がある。

「かつてウクライナは旧ソ連の衛星国でした。それが今、ロシアと対峙する最前線となりました。アメリカは『二度とロシアが攻め込まないようウクライナの防衛力を強化する』という方針を固めたように思えます。その一方で、ウクライナ軍の本格的な反攻作戦を本気で支援するようには見えません。東部戦線などでロシア軍に出血させて戦意を削ぎ、停戦交渉が始まる気運を作るというのがアメリカの狙いであり、その象徴がF-16と見るべきではないでしょうか」(同・軍事ジャーナリスト)

註:「F16が戦況を劇的に変えることはない」 米空軍長官が見解(朝日新聞デジタル:5月23日)

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。