春ドラマ総括 「フレッシュ女優」「朝ドラ女優」三つ巴の戦いはどうなったか
春ドラマはどれも第5話を過ぎて中盤を迎えたが、福山雅治と大泉洋の日曜劇場「ラストマン―全盲の捜査官―」(TBS)の一人勝ちだという。そんな中、若手と中堅の女優陣による戦いが注目されている。
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「ラストマン」の一強とは言うものの、直近の第5話(5月21日)の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)は12・8%で、驚異的な数字とは言いがたい。また、注目度が高かった木村拓哉の月9「風間公親―教場0―」(フジテレビ)は、第7話(22日)の視聴率が8・9%と二桁にも達していない。民放プロデューサーは言う。
「つまりテレビを見る人が減っているということです。PUT(総個人視聴率)は週を追うごとにワースト記録を更新しています。その一方で、地上波のドラマは3枠も増えました」
テレビ離れが言われ始めた頃、制作費のかかるドラマ枠は減り、バラエティ番組が増えた。なのにテレビが見られなくなった今、なぜドラマ枠が増えたのか。
「見逃し配信で稼げるようになったからです。例えば、テレビ東京の深夜ドラマの視聴率は1%そこそこですが、見逃し配信で話題になれば商売になり得るのです。それが証拠に、テレ東の株価は今年1月頃から高値を更新し続けています」
テレビ東京ホールディングスが5月11日に発表した決算短信には、《テレビ広告市場の低迷が影響し、放送事業から得られる収益は前年度に僅かに及ばなかったものの、海外向けの番組販売や動画配信を積極的に行うことで、コンテンツの2次利用から得られるライツ事業の収益を大きく伸ばすことが出来ました》とある。さらに《配信ビジネス収入は22・1%増の10,421百万円となりました》とも……実に104億円である。
フレッシュ女優3人
「奈緒が主演の『あなたがしてくれなくても』(フジ)の視聴率は4~5%程度ですが、TVerなどのAVOD(広告付き動画配信)では、第1話が346万再生、第2話が359万再生、第3話が381万再生を超え、累計1000万再生を突破しました。各局とも、たとえ高視聴率は望めなくても、別の形での成功を目指してもがいています。昨年、民放ドラマの歴代見逃し配信記録を更新した『silent』(フジ)の主演が川口春奈だったことからもわかるように、女優のキャスティングは特に重視されています」
まず注目されているのが、フレッシュ女優の三つ巴だ。
「アイドルあるいはモデル出身の20代の3人です。まずは福岡のローカルアイドル時代に“1000年に1人の逸材”と言われた橋本環奈(24)。映画『銀魂』やドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ)などで変顔やヤンキー役も厭わず好演し、昨年末には『NHK紅白歌合戦』の司会も経験。今期の主演ドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS)は第1話の見逃し配信が300万再生を超えるなど、『あなたがしてくれなくても』に次ぐ話題となっています」
橋本に対抗するのが今田美桜(26)だ。
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