米国は「格差社会」どころか「総貧困社会」に? 多くの国民は既に景気後退の痛みを感じている

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高級品を扱うビジネスは相変わらず好調だが

 米国経済のハードランディング(景気の急激な失速)懸念が強まっている。

 今年第1四半期のS&P500種株価指標構成企業の利益は前年比3.7%減少し、2四半期連続で業績が悪化した。第2四半期以降も業況が改善する見込みが立ってない。

 全米自営業者連盟が5月9日に発表した4月の中小企業楽観度指数(1986年=100)も89.0となり、2013年1月以来、10年ぶりの低水準となっている。

 企業活動だけをみると、米国経済は既に「リセッション(景気後退)」入りしたと言っても過言ではない状況だ(5月15日付ブルームバーグ)。

 企業活動が低迷しているものの、今年第1四半期の米国の実質国内総生産(GDP)は前月比1.1%の増加となった。GDPの7割を占める個人消費が堅調だったからだ。

 米国の堅調な消費を支えているのは富裕層だ。景気が減速気味になっている中、富裕層の購買力は衰えることなく、高級品を扱うビジネスは相変わらず好調だ。

 第1四半期の好決算を受け、フランスの高級ブランド大手LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンの株価は4月、過去最高を更新した。「COACH」などを傘下に持つアメリカのブランド企業タペストリーも、今年6月期通期の売上高予想を引き上げている(5月20日付日本経済新聞)。

 だが、多くの米国人の消費行動はまったく違う。

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