兄弟子による現役力士への暴力事件、部屋側が“口封じ”か「おかみさんが自分の母に電話していた」

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 話題を呼んでいるネットフリックスのドラマ「サンクチュアリ」でも分かる通り、相撲部屋は濃密な人間ドラマに満ちている。暴行事件に揺れる陸奥(みちのく)部屋と、有名力士の突然の引退が波紋を呼ぶ湊部屋。二つの騒動が、ある「親方株」を巡って交差する因縁――。

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 一癖も二癖もある兄弟子からのイジリやイジメ、暴力。星の貸し借り、複雑に入り組んだ親方衆の思惑、一筋縄ではいかないタニマチや記者との人間関係――。

 大相撲を舞台にしたネットフリックスのドラマ「サンクチュアリ -聖域-」が世界50以上の国と地域で「今日のシリーズTOP10」入りするなど、話題を呼んでいる。そこで描かれているのは、外部からはうかがい知れない角界のリアルな実態だ。それが緻密な人間ドラマに仕立て上げられ、多くの視聴者を釘付けにしている。

暴力事件の隠蔽

 翻って現実の世の角界では今月14日に夏場所が初日を迎え、新聞・テレビは熱戦の様子や星勘定を日々伝えている。しかしそれが角界を形作る一部分に過ぎないことは、「サンクチュアリ」で描かれている通り。ドラマでは、主人公の本場所での勝敗より、所属する「猿将(えんしょう)部屋」の人間関係や日常のシーンに時間が割かれる。一方、現実の相撲界にも、複雑な人間関係が抜き差しならないトラブルに発展し、周囲の注目を集めている部屋が存在する。一つは陸奥部屋、もう一つは湊部屋だ。

 本誌(「週刊新潮」)5月18日号では、陸奥部屋で起こった暴力事件を、部屋の主たる陸奥親方(元大関霧島)と日本相撲協会が隠蔽(いんぺい)していたことをお伝えした。

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