総再生28億回！TikTokの“バズる振付師”槙田紗子（29）が説く「8：2」のコツ
世界中で月間10億人が利用し、日本でも人気のアプリ「TikTok」。音楽業界にとっては今や欠かせないPRツールとなっており、TikTokでバズることがヒットの鍵となっている。そんなTikTokで“バズる振付師”として注目されているのが槙田紗子さんだ。振り付けを手がけたアイドルグループ「FRUITS ZIPPER」の「わたしの一番かわいいところ」（以下わたかわ）はTiktokでの総再生回数が7億回、超ときめき♡宣伝部の「すきっ！」は総再生回数が28億回を突破している。TikTokでバズるにはどうしたらいいのか。槙田さんにコツを聞くと「8:2の法則」が大事だと明かしてくれた。【徳重龍徳／ライター】
【写真を見る】“わたかわダンス”に「すきっ！」…数々のバズを生んだ彼女は元PASSPO☆のメンバーでも
槙田さんはもともとアイドルグループ「PASSPO☆」のメンバーで、同グループを卒業後に本格的に振付師として活動をスタートさせた。2022年は70曲以上のアイドルの振り付けを担当し、その内の一曲が「わたかわ」だ。顔の周りで手でハートや王冠の形を作るかわいい振り付けが女子中高生の間で人気となり、デビューしてすぐだったグループの飛躍にも大きく貢献した。
同曲のヒット以降、槙田さんの元には日々、TikTokでバズらせてほしいという振り付けの依頼が舞い込んでくるという。曲全体の振り付けでなく、最近では人気声優・小倉唯のようにTikTok用に曲のサビ部分だけの振り付けを依頼されることもある。
「静岡県・掛川市の掛川茶のPR用に15秒の音源に振りをつけてくださいというオファーもありました。TikTokだけの振り付けは、時間は短いですが、普通の曲よりも難しいです。1曲丸々だとストーリーであったり中で抑揚もつけられますが、TikTokの場合、短い時間で全てを完結させなきゃいけないので」
槙田さんをバズる振付師として有名にした“わたかわダンス”は、当初からTikTokでバズらせることを念頭に作られた。
「FRUITS ZIPPERのデビュー前に3曲の振り付けを依頼がありました。そのうちの一曲が『わたかわ』で『ライブよりもTikTokで攻めていきたい楽曲』と説明されました。『わたかわ』はそもそも楽曲、歌詞とバズを狙って作られていて、曲のここから何秒間をTikTokで使うとも決まってました。なので、振り付けもすごく作りやすかったです」
当時、槙田さんにTikTokでバズらせてほしいとの依頼はまだ少なく、新鮮な気持ちで向き合えたという。
「なので全力でTikTokに寄せました。TikTokは1週間でトレンドがどんどん変わっていくんですけど、その流れも見つつ『この動きはみんなやりやすいんだ』『このフリは女の子は好きなんだ』とか傾向をめっちゃ調べました。TikTokは顔の前へ手をやると加工フィルターが外れやすいんですよ。女の子が踊るだろうと考えていたので、そういう動きは入れないように気をつけました」
「全部新しいと拒否反応」
槙田さんがTikTokでバズる振り付けのコツとして挙げたのが「8:2の法則」だ。
「振り付けには8割、馴染みのある動きを入れてます。見たことがあって、みんながかわいいと思ってる動きをまず取り入れる。でも、そればっかりだとオリジナリティがないので、2割は新しい動きを入れます。『わたかわ』でいうと『そして君が知っている私が一番かわいいの』という歌詞での肩の動きですね。当時TikTokではまだ見ない動きだったので、入れました」
「料理でも音楽でも何でもそうだと思うんですけど、人間って全部新しいと拒否反応を起こしてついてこない。ダンスも一緒で、特にTikTokは若い子たちが見てるので、振り付けの斬新さやセンスまでは考えない。なので、とにかく自分がかわいく踊れるとか、新しくてかわいいという発見を良いバランスで入れるようにしています」
研究し作り上げた“わたかわダンス”。発表前から手応えは感じていたという。
「FRUITS ZIPPERに振り入れをした日に、試しにTikTokっぽく動画を撮影したんです。メンバー7人に前後2列になってもらって縦動画で撮ったんですが、それがあまりにかわいすぎて。メンバーと『えっ、めっちゃTikTokじゃん』『待って。これまじバズるかも』と盛り上がってました（笑）」
その手応え通り、TikTokで“わたかわダンス”が公開されると結果はすぐに付いてきた 。
「動画を上げてから1～2週間ぐらいでバズりました。元NMB48でインフルエンサーの吉田朱里ちゃんが『わたかわ』を踊る動画をあげてくれて、『この子が踊ってくれたんだ！』とびっくりしました。そこから広がるのは早く、スマホを見るたびに投稿数があり得ないぐらい増えてる感じでした」
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