お忍び会合への出席を“誇示” 国民民主・玉木代表の狙いとは?
新聞各紙の総理番は、1年目の政治部記者に任される最初の仕事。総理の一日を記録した動静記事は、無味乾燥に見えて味わい深い。例えば、5月11日付の記事のウラではこんなことが。
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「この前日、岸田文雄総理は東京・内幸町の帝国ホテルで開かれた会合に顔を出した。番記者たちは参加者の確認に動きましたが、すべては把握できなかった。ほとんどが人目を忍んで裏口から帰ったからです」
と言うのは政治部デスク。会の主催者は共同通信の元編集局長でジャーナリストの後藤謙次氏、日本テレビ顧問の大久保好男氏、毎日新聞の山田孝男特別編集委員、そして朝日新聞の元論説委員・薬師寺克行東洋大教授の四人である。
「いわゆる勉強会で、総理はゲストとして招かれた。ほかにも複数、与野党議員が出席したそうですが」
議員らにはお忍びの会で、
「終了後に主催者代表として取材に応じた後藤氏は、出席者名をぼかしていた。メディアと議員の懇談には世間から厳しい目が向けられることもある。いろいろ配慮したのでしょう」
あざとい“計算”
その結果、大手各紙の総理動静記事には、参加者として斎藤健法相と自民党の小渕優子組織運動本部長だけが記載された。
「斎藤は番記者が現認し、小渕は総理秘書官への取材で判明した。ところが、会場から堂々と帰路に就いた議員がいたんです」
その人物は、国民民主党の玉木雄一郎代表(54)。記者の問いかけには一切答えずホテルを後にしたが、その後、先の後藤氏は「玉木代表もお見えだった?」との質問に「否定はできない。表から出たということは、彼なりの計算もあったんだろう」と苦笑いしつつ答えている。
会合の直前、岸田総理は自民党森山派のパーティーに出席しており、勉強会への滞在はわずか20分にとどまった。多忙を極める総理は改めて広島サミットへの意気込みを語ったというが、
「出席者の一人は“自民、公明、立憲民主、国民民主の議員がいて、機微に触れる話が出るわけがない”と振り返っていましたね」
それでもさまざまな臆測を呼ぶリスクを考えれば、後藤氏の配慮は当然。それを知るはずの玉木氏の独自の振る舞いからは、あざとい“計算”が透けて見える。
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