「少し考えさせてください」殺人容疑の中学教師の妻が口にした一言 犯行の背景に競馬やFXで数百万円の負債が

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「少し考えさせてください」

 夫が連行された2日後の12日午後、妻と3人の子の姿は引き続き自宅にあった。玄関先には大小さまざまな5台の自転車が並び、ガレージ奥には砂遊び用のバケツや虫取り網、チャンバラ棒などが入った道具袋。

 数十分後、近くに住む尾本の両親宅に、妻子を乗せたレンタカーが到着した。ドアが開き、警察官の手引きで3人の子らがそれぞれ降りると、親族とみられる男性が素早く手を引き、抱き寄せながら尾本の実家へと招き入れていった。

 妻にあらためて夫の事件について尋ねると、しばし沈黙ののち、

「少し考えさせてください」

 昨年暮れ、尾本は所属する草野球チームの試合に出場。ピッチャーを務めて完投、打っては2安打3盗塁と活躍し、大差で堂々の勝利を収めていた。それが5カ月後には一転、紛うかたなき人生の敗者となり果ててしまったのである。

週刊新潮 2023年5月25日号掲載

特集「『中学教師』の殺人 『妻と3人の子』の生き地獄」より

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