個人事務所の年商は3億7000万円…野良芸人「さらば青春の光」のしたたかなサバイバル戦略とは

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マツコ・デラックスを魅了した東ブクロ

 森田はゴシップ好き、女好きのキャラクターを前面に出しているので、現時点では世間のイメージはそれほど良くないかもしれない。だが、そういう要素もある程度は「芸人らしさ」を演出するための彼の戦略ではないかと思う。バラエティ番組の現場でも確実に結果を出すことから重宝されていて、いまや次世代のMC候補とも言われている。

 一方の東ブクロは、必死に働く森田を横目に、趣味のゴルフ三昧の生活を送っている。一応、ゴルフ専門の個人YouTubeチャンネルも持っているため、ゴルフを仕事につなげている側面はあるが、趣味を兼ねているのは間違いない。東ブクロはたびたび女性関係のトラブルを起こしている問題児だが、悪びれることなくケロッとしている不思議な魅力がある。

「週刊さんまとマツコ」に出演した際にも、マツコ・デラックスがそんな東ブクロに魅了されている様子だった。

 実力で汚名を返上して個人事務所で活躍を続けるさらば青春の光は、今どき珍しいがむしゃらなハングリー精神を備えた頼もしい芸人なのだ。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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