個人事務所の年商は3億7000万円…野良芸人「さらば青春の光」のしたたかなサバイバル戦略とは
大手事務所から独立して個人事務所を立ち上げ
森田哲矢と東ブクロの2人から成るお笑いコンビ・さらば青春の光が、4月30日放送の「週刊さんまとマツコ」(TBS系)に出演した。彼らは大手事務所から独立して個人事務所を立ち上げていて、現在の年商は3億7000万円に達しているという。
【写真】公式サイトには出演依頼の問い合わせ先も…「さらば青春の光」の今
森田が単独でバラエティ番組に出演する機会も多いし、コンビとしての単独ライブは大盛況で、YouTubeチャンネルも好調。フリーの芸人としてはこの上ないほどの成功を収めている。
2008年に結成されたお笑いコンビ・さらば青春の光は、デビュー当初は将来有望な若手芸人だった。「NHK上方漫才コンテスト」「ABCお笑い新人グランプリ」などの大阪のお笑いコンテストで決勝に進み、頭角を現していた。
彼らの全国的な知名度が上がるきっかけになったのは、2012年にコント日本一を決める「キングオブコント」(TBS系)で準優勝を果たしたことだ。バイきんぐに敗れて優勝こそ逃したものの、コントの実力者として業界内で知られるようになった。
フットワークの軽さが売りの「フリー芸人」
ところが、ここから彼らは苦難の道を歩むことになった。2013年に松竹芸能を退社して独立を果たすと、その直後には東ブクロの不倫スキャンダルが発覚した。不倫相手が先輩芸人の妻だったこともあり、彼らは業界内でも四面楚歌の状態に陥り、仕事がほとんどなくなってしまった。
しかし、彼らは地道にネタを作り続けて、密かに腕を磨いていた。2013年の「キングオブコント」では逆境をはねのけて決勝に進んで話題になった。
その後、彼らは事務所に所属しない「フリー芸人」として、フットワークの軽さを売りにして多彩な活動を展開するようになった。大手事務所の芸人と違って、彼らには大企業の広告案件や、大型番組の司会者などの仕事はなかなか巡ってこない。その代わり、自分たちにできることは何でもする、という姿勢でさまざまな事業を展開している。
ネタ作りを担当する森田は、ストイックな姿勢で仕事に取り組んでいる。ネタ作りや企画会議の現場では妥協を許さず、何時間でも考え続けてアイデアを絞り出そうとする。
その一方で、芸人や業界関係者との付き合いも大切にしていて、誰からも愛されるキャラクターの持ち主である。相方の東ブクロはマイペースで独立独歩型のところがあるため、実質的に森田がコンビの営業・広報のような役割を担っている。多くの人と交流を深めて、それを仕事につなげている。
[1/2ページ]