「天然記念物の泉にコインを投げ込み…」「民家への不法侵入も」 やりたい放題なインバウンド観光客たち

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宿泊業界も活況

 この日、活況を呈していたのは東京都内・浅草も同じ。東京スカイツリーや雷門を背に写真撮影に興じるインバウンド客の間をすり抜けつつ浅草寺の「仲見世通り」に入ると、向こうがまったく見えないほどの混雑ぶりだ。観光客向けの人力車を運営する「時代屋」の藤原英則社長いわく、

「昨年のGWと比べて、今年の人出は4、5割増しくらいではないでしょうか。コロナ前と比べても、2割ほど増えている印象です。利用客が増えているのはありがたいです」

 宿泊業界も恩恵に浴しているようだ。浅草のさるホテルの支配人が言う。

「2月からほとんど満室の状態です。コロナの時は1名1泊4千円とか、あるいは3千円台まで下げてもお客がなかなか入りませんでした。今は8千円くらいでも埋まるようになってきています」

相次ぐ備品の盗難

 他方、迷惑顔の人もいる。浅草寺近くの喫茶店店主は、

「外国人は増えたけど、あいつら金を全然使わないからね。お店で注文するときも、人数分を頼まない。この前も東南アジア系の8人組が“ミックスサンドは8切れだから、これ一皿を頼んでみんなで食べる”なんて言い出してさ。席はしっかり8人分使っておいて、ふざけんなって話だよ」

 ボヤキは止まらない。

「今朝一番で入った東南アジア系の2人組は、店内に『撮影禁止』って(貼り紙に)書いてあるのに知らん顔して写真を撮るんだよ。注意しても無視だし。しかも注文された飲み物を出したら、自分たちで持ってきたポテトチップスを食べ始めるんだから。“ノー・イートよ”と言っても、全然聞かないし」

 前出のホテル支配人も、こんな一件を“告発”する。

「備品を持っていかれてしまうんです。靴ベラやシャンプー、ボディソープのボトルなどです。気付くのはチェックアウトされた後で、追いかけるわけにもいかず、まあしょうがないかな、という感じですね」

 難儀なるインバウンド。困ったことにその災厄は目下、列島の北から南までを席巻する勢いなのだ。

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