日本の防空システムを毀損する上海電力の風力発電事業 見返り目当てで再エネ企業を応援する議員の名前は?
合法的な金銭的見返り
昨夏、本誌(6月16日号)に再生可能エネルギー普及拡大議員連盟に関する記事が掲載された。そこでは自民党の秋本真利・同議連事務局長について〈議連の秋本議員に至っては、風力発電業者5社から企業・個人献金合わせて3年間で、計1800万円以上を自身が代表を務める千葉県第9選挙区支部で受けている〉と指摘している。
この秋本氏は、今年2月にも再エネ企業から政治献金を受け取っていながら、その事実を国会で否定したことで虚偽答弁だと指摘された。本人はその疑いを否定したものの、彼が風力発電を強力に推進していることは周知の事実。このように、合法的な金銭的見返りが得られるからこそ、国会議員らは再エネ政策の推進に力を入れるのだろう。
日本の再エネ事業、とくに洋上風力発電には、いまも中国企業の参入が相次いでいる。富山県入善町の沖合に設置された洋上風力発電事業がそのひとつだ。昨年2月、ゼネコン大手の清水建設は中国の風力発電機大手・明陽智慧能源集団(明陽智能)と、3千キロワットの発電機3基を発注することで合意した。
基幹産業への外資参入を規制すべき
一般に中国企業は比較的安価な発電機を日本企業に納入するが、その目的は洋上風力発電の場合、設置される地域の風力や風向き、海流などの海域データの収集との疑いが持たれている。海底調査を行えば、富山湾の海底の形状や地質、資源の有無も確認できる。海洋国家の日本が門外不出とすべき貴重なデータを、易々と外国に提供するようなことはあってはならない。
いまのところ、明陽智能側は「風力発電機の設置・運営で取得する風力や海流などの各種データについて中国に持ち出さない」としている。とはいえ中国では、人民や企業に情報活動への協力を義務付ける国家情報法が施行され、この7月からはスパイの定義が拡大される改正反スパイ法も施行される。日本は明陽智能の言葉をうのみにせず、昨年成立した経済安全保障推進法に則って、重要インフラを担う基幹産業への外資参入に規制を設けるべきだ。
再生可能エネルギーという美名の裏には、覇権主義国家である中国の影が見え隠れする。その先導役は日本の国会議員やビジネスマンたちだ。最近、筆者は再エネの問題点をまとめて著名な機関誌に寄稿したところ、急に掲載が見送りとされた。利権に巣くう人々にとって“不都合な真実”を列挙したからだろうか。いまこそ再エネ政策の是非を点検しなくてはならない。
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