日本の防空システムを毀損する上海電力の風力発電事業 見返り目当てで再エネ企業を応援する議員の名前は?

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巨大な“風車の壁”

 昨秋、私は本誌(「週刊新潮」22年10月27日号と11月3日号)で2回にわたり、上海電力日本が山口県岩国市で建設を進めるメガソーラー事業への不自然な参入法をレポートした。“ステルス参入”というべき狡猾さだが、不思議なことに今回も登場人物はまったく同じだ。

 空自当別分屯基地の周囲に計20基もの風車群が設置されれば、その南と西に巨大な“風車の壁”が生まれることになる。基地のレーダー機能が大きな影響を受けるのは必至だ。

 ところで「合同会社石狩湾沖第一洋上発電所」「合同会社石狩湾沖第二洋上発電所」なる事業者の本社も石狩市発電所や西当別発電所と同じ住所だ。こちらは小樽市や石狩市が面する石狩湾で、洋上風力発電所を建設する計画を持っている。

 これら石狩市や当別町の事例は氷山の一角に過ぎない。市民団体「北海道風力発電問題ネットワーク」によると、現時点で道内に設置済みの陸上風力発電施設は324基。今後は1686基の建設が計画されている。

町の危機感は強いが…

 住民の強い反対を背景に、当別町議会は21年11月、2度にわたって、西当別発電所による風力発電事業に反対する請願と陳情を全会一致で採択した。町が最も懸念したのは巨大風車の設置による景観の悪化と騒音で、これを理由に若い世代が町から去るようなことになれば、政府が進める地方創生や人口減少の抑止など望むべくもない。人口減少は税収減に直結するから、いまでも町の危機感は強い。加えて町には、レーダーの探知能力を損なう風車の設置を許せば町が国の安全保障を妨害することになりかねない、との強い危惧もあったという。

 その後、当別町は町長と町議会議長を東京に派遣。自民党本部で高市早苗政調会長(当時)と面会し、計画の撤回を陳情した。これを受け、高市氏は昨年1月24日に衆院予算委員会で、萩生田光一経済産業大臣(同)に質問している。少し長いがやり取りを紹介する。

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