MLBが「ダブルフックDH制」導入なら「大谷翔平」に甚大な影響 本塁打も打点も激減確実
戦術面でも大幅な変化が
メジャーリーグ公式HPでは、ダブルフックDH制を試験導入した目的は説明されていない。しかし、近年のメジャーリーグでは先発投手の人数不足を補うため、リリーフ投手を総動員させる「ブルペンデー作戦」や、先発投手を1、2イニングで交代させ、継投策で戦う「オープナー策」も定着している。ダブルフックDH制の導入が決まれば、現場で苦慮して編み出したこれらの作戦が使えなくなってしまう。
「ダブルフックDH制のほかに、ピッチャーズプレートとホームベースの間の距離 60フィート6インチ(18.44メートル)を、61フィート6インチ(約18.75メートル)に広げる案、スタメン出場していない選手の代走を常時認める指名代走、誤審を防ぐためのAI審判、牽制球は打者1打席につき1球などもテストされています。ピッチャーズプレートを後方に下げるのは、『投高打低』の状況を変えるためで、指名代走は『個性、長所』を延ばし、出場機会を増やすためだというのが理由です」(前出・同)
現在テスト中のこれらの新ルールが全て導入されると決まったわけではない。また、「これでは野球ではなくなってしまう」との反対意見もある。選手たちも戸惑うはずだ。
「5月5日のマリナーズ戦で、大谷は打者と投手の両方で『ピッチクロック』の違反を取られました。1回に先制3ランを浴び、後続打者を迎えた際にモーションに入るのが遅いと宣告されて『ボール1』を、6回の攻撃では素振りをしながら打席に向かった際も遅いと判断され、『ストライク1』が宣告されました」(前出・現地メディア関係者)
「ピッチクロック」の新ルールでは、投手はボールを受け取ってから走者ナシの場面では15秒以内、走者がいる場面では20秒以内に投球モーションを開始しなければならない。打者は8秒前に打席に入らなければならないが、その試合のイニング間で、大谷はエンゼルスのフィル・ネビン監督(52)、水原一平通訳(38)を引きつれ、自身の投球モーションの開始動作を主審に説明していた。新ルールへの混乱は多かれ少なかれあるようだが、AP通信の調査では「オープン戦を見た限り、平均3時間01分だった試合平均時間が、2時間35分に短縮された」と報じていた。
「コリジョンルール、ビデオ判定、申告敬遠、どれもメジャーリーグで導入されてから1、2年遅れて、日本プロ野球界でも採用されています」(NPB関係者)
日本も「対岸の火事」ではいられないようだが、もし、新しいDH制がメジャーリーグで採用されたとき、打者・大谷は二刀流継続と打席数の確保のため、一塁手か外野手に転向するのだろうか。
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