パドレスと6年1億800万ドル……ダルビッシュ「異例の長期契約」の謎を解く

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現時点では不透明な韓国開催

 定期的な訪米の話を聞かされると、韓国が日本以上にメジャーリーグと接近していることも窺えるが、「来季開幕戦はどうなるか、最後まで分からない」と懸念する向きも強い。

「球場の問題があるんです。候補は首都・ソウル市内にある高尺スカイドーム。でも、同球場の収容人数は2万2000人程度。高尺スカイドーム開催のKBOのリーグ戦では内野席でも1万7000ウォン(約1700円)程度です。韓国に遠征するMLB側としては採算が合いません。MLB公式戦ということで値上げするとしても、韓国の野球ファンに納得してもらえるかどうか……。だったら、東京ドームやナゴヤドームなど、確実に大入りが見込める日本で2年連続開幕戦をやったほうがいい、と」(前出・同)

 高尺スカイドームを本拠地としているキウム・ヒーローズは、キム・ハソンの古巣球団でもある。メジャーリーグのユニフォームを着て凱旋帰国することに意義があるわけだが、この話にリンクしてくるのが、エンゼルス・大谷翔平(28)の去就問題だ。

「対戦チームのドジャースですよ。大都市・ロサンゼルスを本拠地とし、補強資金も潤沢なチームです。そのドジャースが昨年オフ、22年ア・リーグMVPのアーロン・ジャッジ(31)の争奪戦には見向きもしませんでした。補強規模も例年よりも小さかったです」(現地メディア関係者)

 23年米FA市場の目玉、二刀流・大谷の争奪戦に備え、補強資金をプールしたとの見方がもっぱらだ。

 22年シーズン終了と同時にエンゼルスとの契約が満了になる大谷の去就問題は、いまだ先行きが見えない。パドレスも大谷に興味を示しており、ダルビッシュが「いっしょにやろう」と誘ったら、決定打になるかもしれない。もちろん、ダルビッシュと大谷の投げ合いも見たいが……。

「ダルビッシュは中学時代からボーイズリーグの日本代表メンバーとして、海外チームと試合をしてきました。かつチーム愛や侍ジャパンへの思い入れも強い選手です。MLB、パドレスが海外に進出するうえで欠かせない存在です」(前出・在米ライター)

 長いメジャーリーグの歴史のなかで、36歳以上の選手が6年以上の複数年契約を交わしたのは、ダルビッシュが初めてだ。アジア地域からも愛される“金看板”には1億ドル以上の価値があるというわけだ。

デイリー新潮編集部

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