パリに巨大な「草間彌生」像が出現 ルイ・ヴィトンコラボの模様を現地レポート

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 フランス・パリの人気観光地、シャンゼリゼ通りのルイ・ヴィトン本店が入る建物に、巨大オブジェが現れたのは今年1月のことでした。【ヴェイサードゆうこ/在仏ジャーナリスト】

 ルイ・ヴィトンがコラボレーションした日本人アーティスト、草間彌生さんの巨大オブジェです。パリ本店の5階建アパルトマンに覆いかぶさり、何かを覗くような表情の赤髪の女性と、建物の窓や壁に彩られた大きな水玉模様。その奇抜さは人目を引き、道ゆく人達は振り返り写真を撮っていました。さらにInstagramなどSNSでも話題になり、画像が拡散されていました。この「草間彌生コレクション」は世界で展開されていたので、草間さんのオブジェやコラボ商品を見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。

 巨大オブジェはシャンゼリゼだけではありませんでした。2021年にパリにオープンした高級デパート「サマリテーヌ」の目の前に、さらに存在感のある巨大像が現れました。

 筆を持ち絵を描こうとしている草間さんの立像ですが、やはりアパルトマンの5階に届くほどの大きさで、人びとはスマホで撮影していました。そして巨大像とは別の形でインパクトを与えたのが、草間さんの“等身大ロボット”です。巨大像と同じ格好で筆を持ち、瞬きしたり筆を上げたり下ろしたりして動くのです。顔も蝋人形を彷彿とさせるリアリティがあります。

 わたしの隣にいた小学校低学年くらいの男の子は、このヒューマロイドを本物の人間と思ったようで、母親らしき人が「違うのよ、たしかに良くできてるけどこれは本当の人間じゃないのよ」と説明していました。

 ロボットは当初、パリ中心にあるヴァンドーム広場の店舗のショーウィンドウで展示されていました。歴史と伝統、高級感あふれるこの広場には、ホテルリッツや数々の有名ブランドのブティックが並んでいます。そうした環境の中、ヴィトンの入居する建物には草間さんの装飾が施され、広場のど真ん中にはかぼちゃの巨大像……こちらもロボットと共に話題になっていました(ロボットは4月末時点でシャンゼリゼ本店のショーウィンドウに移動していました)。

 シャンゼリゼに程近い、高級ブランドが居並ぶショッピングストリートとしても有名なアベニューモンテーニュのヴィトン店舗前にも、かぼちゃから変形したような斬新な「ダンシングオクトパス」というオブジェが出現しました。

 店舗には、これでもかと草間さんの世界観を表したディスプレイやコーナーが見受けられました。

 ヴィトンに限らず、パリの街にアーティストの作品が展示されることは珍しくないのですが、今回の草間さんの企画は巨大さ、展開数の豊富さでも群を抜いている印象を受けます。ヴィトンというより草間彌生というアーティストのプロモーションではないかと感じるほどです。

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