話題騒然「ゼルダ休み現象」に見る“日本社会の変化” かつては休暇を巡って離婚沙汰も

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ゼルダだったら仕方ないよね

 つまり、ワクチンを打った後に発生する高熱は社会的コンセンサスとして「休む」ことが許されたのだ。これは冒頭の「ゼルダ休暇」とも同じである。ゼルダの最新作が出るのであれば、休むのも仕方がない……と理解を示し、休暇届を受理する上司が増えたのであろう。1988年の『ドラゴンクエストIII』と1990年の『ドラゴンクエストIV』発売当日は発売日にこれらゲームソフトを手に入れてプレイすることが重要だったが、今回の「ゼルダ」でも同じことが発生したのだ。

 ただ、今回「ゼルダ休暇」は上司から認められた。理由は、個人の権利が認められる社会に少しずつ近づいているからであろう。今、「仮病」ということばはあまり使われなくなっている。それは、仮病をする必要がないからだ。「休むにあたっての相当な理由」「社会が納得する理由」が緩くなったからである。

 ドラクエIIIとIVの時代は「ズル休み」は許されなかった。だが、多くの人が仮病を使ってソフトをGETした。あれから約35年、空気は変わった。むしろ、「休むための相応の理由」は「社会が納得する理由」ではあるが、この基準が下がりまくったのだ。「ゼルダだったら仕方ないよね」ということを、上司も認めたのだ。

休暇を巡って離婚するケースも

 こうしたことを考えると、休暇だけで離婚した先輩のことを思い出す。私の先輩女性社員が、突然離婚したことを部署の飲み会で明かした。理由を聞いたところ、こう言った。

「私は、夫と半年前に、モルジブへ一緒に旅行に行くことを決めていたの。でも、夫は旅行の2週間前に突然『旅行は行けない』と言い出した」

 何があったかといえば、夫は、モーレツサラリーマンであり、妻との旅行よりも、降ってわいてきたデカいプレゼン案件を選んだということだ。妻はこの旅行を本当に楽しみにしていたというのに、「休んだらオレは社内の評価が低くなる」ということから、この旅行を彼はキャンセルした。

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