広瀬すず「気が強い」のは悪いことか? 姉・アリスとは対照的な唯一無二の女優力
同じ妹タイプでも気の強さを売りにする山本舞香との違い 無自覚ゆえの残酷さを体現しうる女優力
すずさんは兄と姉を持つ末っ子だが、気が強い妹タイプの美人で思い出すのは山本舞香さんだ。兄1人弟1人という男兄弟の間で育った山本さんは、とにかく感情のムラが出る人である。「王様のブランチ」での興味のない相手や仕事に対する露骨な態度は、よくネットを騒がせていた。一方プライベートでは人気俳優やアーティストとの交際や、男性たちに交じって格闘技イベントのVIP席にサングラス姿で座る様子などが報じられ、スクールカースト上位女子の典型といった感じがする。
でも山本さんは、男性の心をくすぐる妹気質の美人、という自分の強みをよくわかっている。だから「気が強いですがそれが何か?」という態度を崩さない。すずさんが自分の発言の重みをよくわかっていないのに対して、自分の態度が相手にどれだけダメージを与えるかわかっているのが山本さんだと思う。しかしその開き直りは、男性クリエーターたちの関心を引くものにはなりづらい。
対して、周囲を振り回す影響力と残酷さによく気が付いてない美少女、というのがすずさんの最大の持ち味ではないだろうか。振り回される側はたまったものではないが、「気が強そうだね」と言うのがやっとなのだ。
気が強そうって言われるなんて心外だと、自分の力に無自覚であり続ける限り、すずさんは起用され続けるのだろう。世の中は自分に対して必要以上に厳しいと感じているかもしれないが、「世界は不公平」という人生の厳しさを、これほどまでに知らしめる女優もそうはいない。その唯一無二の力を、すずさんはむしろ誇った方がいいのではないだろうか。
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