おかあさんといっしょ「福尾誠」の卒業記念本が4万部突破で歴代記録更新 加熱する“お兄さん&お姉さんロス”のウラ側

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子供は忘れてしまう

 お姉さんよりお兄さんの方がよく売れるのは、メインの購買層が母親だからなのだろう。実はこの卒業ムック、漢字だらけで文字も小さい大人の読み物。はなから子供をまったく相手にしていないのである。

「お兄さん、お姉さんが卒業すると、もちろん子供たちも泣いて寂しがります。けれど、子供は時間が経てばケロッと忘れてしまうもの。逆に、父母にとって彼らは、数年間、子供の成長を一緒に見守ってくれた“戦友”のような存在として、生涯、心に残り続けるのです」(同)

 しかも、視聴者は番組を観ている間、ずっと“飢餓感”を掻き立てられるという。

「メディアから情報が出てこないからです。出演者は番組出演中、NHKから私生活も含めて厳格に管理されます。SNSの発信もなし。就任時の記者会見が行われた後は、数年先の卒業まで待たなければなりません。だから、ずっと気になっていたあの人ってどんな人なんだろうと、卒業本に飛びつくのです」

 出版社や映像ソフト会社にとって、お兄さん、お姉さんの卒業は、数年に一度訪れる“バブル”みたいな扱いになっているというのだ。

そんなに甘くはない卒業後のタレント人生

 福尾が茶の間の人気を集めた理由として言われているのが、「小顔のイケメン」と「ムキムキの筋肉」。ムックにはそんな福尾のチャームポイントを意識した写真と共に、幼少期から体操に取り組みながら成長してきた記録や順天堂大学体操部時代の思い出を振り返るインタビューなどが収録されている。

 福尾は卒業と同時にオフィシャルファンクラブも立ち上げており、これからはタレント活動に軸足を置いていく方針のようだ。背後に控えるのは4万部を購入してくれたお母さんたち。さぞ順風満帆な門出のように思えるが、「そんな甘くはありません」と大手芸能事務所関係者は語る。

「彼らは番組の中のキャラクターとして人気を集めてきました。お兄さん、お姉さんという“着ぐるみ”を脱いで成功できるかは本人次第。はじめのうちは子供向けのイベントなどで重宝されるでしょうが、俳優やタレントとしてのキャリアは一からのスタートになります」

 ムキムキの筋肉で“お兄さん”からうまく脱皮できるか。

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