サミット警備で“異例の人事”が行われた理由 現地のホテルは「全館休館で、最大500万円の損失」とため息

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「満室なら約500万円の損失」

 警察の威信を背負う新本部長は、どんな作戦でサミット警備を完遂するのか。

「広島市内の主要道路には100メートル置きに制服姿の警官が立ち、サミット前日から高速道路は通行止め、路面電車やバスなど公共交通機関も一部運休。各国首脳が訪れるメイン会場のホテルがある宇品島や宮島などは、関係者や住民に渡されるIDがないと立ち入れません」(先のデスク)

 文字通り広島全体を封鎖する勢いだが、地元住民への影響は甚大である。

 宮島のさるホテル従業員に話を聞くと、

「サミット開催中の3日間、宮島は観光客の立ち入りができないので、ウチは全館休館。仮に期間中、満室なら約500万円の損失ですが、国や県から支援の話は聞こえてきません」

「経済効果はゼロ」

 同じ宿泊業でも、警備関係者が利用する施設は潤うなど、明暗が生じていた。

 別のホテル従業員は、

「海外からも予約が入っていたのですが、事情を伝えて泣く泣くキャンセルにしてもらいました。書き入れ時なので正直かなりの痛手。経済効果はゼロですよ」

 広島市内に目を転じれば、中国地方有数の歓楽街・流川からはこんな声も……。

「サミット中は交通機関も止まって女の子が出勤できず休業する店もある。GWで客が増えてきたのにいい迷惑。その分非番の機動隊員が来るけど、おさわり禁止の店でおっぱいに触れようとしたり、飲み方が汚いという声は聞くね。皆やたらと体格がいいし、柔道の影響か餃子みたいな耳だから、警官だと分かるんだ」(無料案内所の店員)

週刊新潮 5月25日号掲載

特集「『安全神話』崩壊で岸田総理『広島サミット』狂騒曲」より

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