藤浪晋太郎、弱小球団で平均年俸以下でも「猛バッシング」のナゼ NPB選手「争奪戦」で代理人抗争の“とばっちり”

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抗争激化のカゲに日本代表のWBC制覇

 5月14日にエンゼルスを事実上の戦力外になった中継ぎ投手ライアン・テペラは昨季から2年総額1400万ドル(約16億円/当時のレート)で契約していた。MLBにはテペラに限らず、藤浪より高額な契約で不振の選手がいても、不可解なほど藤浪に批判が集中する。時に契約そのもの是非すら問う声とともに――。

 しかし、それも代理人同士の抗争が背景にあるとみれば腑に落ちる。

 NPBでは今オフ、山本由伸(オリックス)、今永昇太(DeNA)、上沢直之(日本ハム)の米移籍が有力視される。将来的にも佐々木朗希(ロッテ)、村上宗隆(ヤクルト)、高橋宏斗(中日)らMLBで巨額契約を見込める選手が目白押しだ。

「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝したことで、日本野球全体への評価はさらに高まった。特にアメリカの強力打線を決勝で封じた日本の投手たちの能力は際立ち、顧客獲得競争はより激しくなった。他の代理人は藤浪をたたくことで、ボラスの印象を悪くするネガティブキャンペーンを展開したいのだろう」(前出のジャーナリスト)

 ライバル代理人を蹴落とし、有望な日本選手との契約を勝ち取ろうとするのは、このムラの習わし。ボラス氏の一人勝ちを阻止しようとする代理人たちの思惑が「藤浪バッシング」に拍車をかけているようだ。

百戦錬磨の“吸血鬼”は反撃態勢?

 ただ、そこは百戦錬磨のボラス氏である。生き馬の目を抜く世界で勝ち残ってきたしぶとさを発揮し、既に反撃に出ているフシがあるという。

 昨年12月の吉田とレッドソックスの契約時に、多くの米メディアは日本人野手最高額を「高すぎる」と評した。しかし、吉田が新人王を狙えるほどに活躍する今は手のひら返しだ。

 吉田の価値を9000万ドルの半分以下と見積もっていた他球団の評価を嘲笑するような報道も。地元紙ボストン・グローブに至っては「現時点で吉田との契約は“泥棒レベル”」と過激な表現で格安ぶりを強調した。

「レッドソックスの先見の明に加え、吉田の評価を大きく引き上げたボラスを間接的にたたえる記事が目につく。ボラスは藤浪でミソを付けそうになっているが、吉田で自身の価値を挽回している形。吉田が日本人野手最高額になったことを誇っていた契約時以上に、メディアには自身の手柄を吹聴しているようだ」(前出の代理人)

 山本はダルビッシュ有(パドレス)ら日本選手が多く契約する「ワッサーマン・メディア・グループ」と、今永は別のマネジメント会社と契約済み。平良海馬(西武)はボラス氏の顧客になった。

 一方で吉田が昨秋、ボラス氏に乗り換えたように選手はいつでも代理人を変更できる。“金のなる木”である日本人メジャーリーガー予備軍を巡り、水面下では代理人同士の丁々発止が続いていきそうだ。

デイリー新潮編集部

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