【全米プロゴルフ開幕】ウッズ、松山英樹らの名勝負が繰り広げられた大会で、今年の優勝者を予測

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今大会の優勝候補は?

 今年、優勝候補の筆頭と見られているのは、現在世界ランキング1位のジョン・ラーム(スペイン)、そして2位のスコッティ・シェフラー(米)だ。

 28歳のラームは、4月のマスターズを含め今季すでに4勝、通算11勝を挙げており、今週はメジャー大会2連勝に挑もうとしている。予選の2日間、ラームはマシュー・フィッツパトリック(英)、キャメロン・スミス(豪)と同組で回る。

 26歳のシェフラーは、昨年のマスターズ覇者だ。今季もWMフェニックス・オープンとプレーヤーズ選手権というビッグな2大会を制し、好調なゴルフを持続中。この全米プロでメジャー2勝目を挙げることが期待されている。シェフラーと同組で回るのは、ブルックス・ケプカ(米)とゲーリー・ウッドランド(米)だ。

 最も多くのギャラリーを引き付けそうなのは、ロリー・マキロイ(北アイルランド)、ジャスティン・トーマス(米)、コリン・モリカワ(米)という全米プロ覇者トリオだ。

 世界ランキング3位のマキロイは、全米プロ2勝(2012年、2014年)の実績を誇る。トーマスは2017年大会で松山を抑えて初勝利、昨年大会も優勝。今年はディフェンディング・チャンピオンとして大会3勝目を目指す。モリカワは2020年大会の優勝者だ。

 リブゴルフ選手のミケルソンとガルシア、それにウッズの長年の相棒キャディだったジョー・ラカバと新たにタッグを組んだばかりのパトリック・カントレー(米)がともに回る組にも大勢のファンが付くことだろう。日本の期待を一身に担う松山は、トミー・フリートウッド(英)、キャメロン・ヤング(米)と同組だ。

 さらに、米メディアが密かに優勝候補の1人と見ているのは、33歳のトニー・フィナウ(米)だ。フィナウは3週間前のメキシコ・オープンでラームを3打差で抑え、ツアー通算6勝目を挙げたばかりだ。「世界ナンバー1のラームに勝った」ことが彼の自信を倍増させており、「次はメジャー優勝だ」と気勢を上げている。

 勝利のチャンスは誰にでもある。メジャー初優勝者が誕生する確率、無名選手や苦労人が勝利する確率が、メジャー4大会の中で一番高いのはこの全米プロである。

 だからこそ今年も、びっくりドキドキの展開になることを期待している。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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