映画「HK 変態仮面」から10年…実写版「シティーハンター」に挑む「鈴木亮平」の注目点とは
日本初の実写映画化
俳優の鈴木亮平（40）が主演をつとめる映画「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室」が4月28日に公開され、GW最終日の5月7日までに観客動員182万人、興行収入24億円を記録した。
同作は21年7月期にTBS系で放送されたドラマ「TOKYO MER～走る緊急救命室～」を映画化。ドラマ版と同様、東京都知事直轄の救命医療チーム・TOKYO MERメンバーたちの活躍を描き、鈴木はチーフドクター・喜多見役を演じている。
「緊急救命の現場をリアルに描いただけに、撮影スケジュールもタイトで、亮平さんにとって、最も肉体的にハードな現場だったのではないでしょうか。今年、公開された邦画の実写版ではトップの興収を記録しそうな勢いですが、すでに、とても大きな仕事である次回作が決定しているので、そちらの方が大きなプレッシャーを背負っているかもしれません」（TBSのドラマ班スタッフ）
その「とても大きな仕事」というのが、累計5000万部を突破している北条司さん原作の人気コミック『シティーハンター』の実写映画化だ。24年にNetflix（ネトフリ）で全世界配信されることが決定している。鈴木は主人公・冴羽獠役を演じるが、コミックの実写版は2021年にフジテレビで放送された民放連ドラ単独初主演となるフジテレビ系「レンアイ漫画家」」以来である。
冴羽は無類の女好き。美女とみれば見境なくちょっかいを出すが、いざ依頼を受ければ、並外れた銃の腕と身体能力、そして冷静沈着な頭脳で、仕事を遂行する超一流のスイーパー（掃除屋）だ。
冴羽の相棒である槇村香役は、ネトフリで配信中の人気シリーズ「全裸監督」で伝説のAV女優・黒木香役を演じ一躍脚光を浴びた森田望智（26）が演じることが発表されている。
「海外では大スター、ジャッキー・チェンが冴羽を演じるなど、これまで韓国やフランスでも実写化されていますが、日本での『シティーハンター』の実写化は初めて。もともと186センチ、72キロというプロフィール設定の冴羽は、186センチ、75キロの鈴木とほぼ同じ体格。すでに愛用の拳銃を持った鈴木のビジュアルが公開されています。アニメの実写版となると、コアなファンからの厳しい意見も多く、何かと大変なのですが、鈴木にとって、役作りは下積み時代から十分に経験を積んできただけに、今回も難なくこなすでしょう」（鈴木を知る映画業界関係者）
売れるまでの下積みを糧に
同年代の俳優の中でも、演技力が抜きんでていると評判の鈴木だが、その実力は長い下積み生活を積んだことにより、磨きあげることができたとみる関係者は多い。
地元・兵庫の高校卒業後、東京外国語大学外国語学部に入学。大学では演劇サークルに入り芝居に目覚め、卒業後に演劇学校に所属し、2005年に俳優デビュー。07年には織田裕二（55）主演の「椿三十郞」で映画デビューも果たした。
「それでも、出演作で注目を浴びるまで時間がかかりましたが、脚光を浴びたのが人気コミックを実写化した映画『HK 変態仮面』（13年）でした。当初、原作のファンであった小栗旬が自ら演じようとしたが、ほぼ裸で特殊なブリーフと網タイツ姿に、仮面の上から女性の下着を被るという設定に、CMスポンサーからNGが。そのため、親友の鈴木に託し、鈴木は見事にビルドアップした肉体に仕上げて演じ切りました。普通の役者さんなら敬遠しそうな役柄ですが、体作りも含めて見事に演じきったのです」（前出・関係者）
“難役”に挑み続ける最中、14年上半期のNHK連続テレビ小説「花子とアン」で女優の吉高由里子（34）演じる主人公の夫役を演じ、その存在が注目されることになりブレークを果たし、同ドラマから4年後に大河の主役をゲットすることになる。
さらにドラマ「天皇の料理番」（15年、TBS）では、佐藤健演じる主人公の病弱な兄を演じ20キロ減量。そこから、人気コミックの実写版で人間離れした高校生の主人公を演じた映画「俺物語!!」（15年）の撮影のために40キロ増量。役によって体重を増減させるハリウッドスター、ロバート・デ・ニーロ並み、いやそれ以上ともいえる、過酷な役作りに挑んだ。そして18年、NHK大河ドラマ「西郷どん」で主演をつとめることに。
ちなみに、「西郷どん」では西郷隆盛に少しでも近づけるため100キロほどに増やしたが、会見では体重のことが話題になるのは良くないと判断したのか、体重の話をしたがらなかったという。
「いずれにせよ、これまでの経験をすべて役者としての肥やしにしていることは間違いないでしょう。私生活では、11年に大学時代から交際を続けていた一般女性との結婚を発表し、すでに子どももいます。芝居ひと筋のため女性スキャンダルとは無縁。そのため。売れてからは大手企業のCMがどんどん入るようになった。さらには、世界遺産検定1級にも合格しており、そちら方面の仕事のオファーが入ることもあります」（芸能記者）
[1/2ページ]
