まだ4月なのに夏ドラマが次々と発表された特別な事情 宣伝担当者の知られざる苦労が
春ドラマがやっと中盤に差し掛かろうとしている中、夏ドラマの多くが発表を済ませた。鈴木京香(54)はフジテレビの夏ドラマ「この素晴らしき世界」(木曜午後10時)に主演することが4月末に発表されたが、それが広く知れ渡る前の5月上旬、体調不良による降板が発表された。なぜ、新作連続ドラマの発表は早くなったのか。
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桜咲く4月に夏ドラマを発表する理由
夏ドラマの発表は桜咲くころから始まった。テレビ朝日は中村倫也(36)が主演する「ハヤブサ消防団」(木曜午後9時)の放送を4月17日に明かした。同局系の春ドラマ「日曜の夜ぐらいは…」が始まったのは同30日だから、それより早かった。
鈴木京香主演のフジ「この素晴らしき世界」の発表は4月26日。この時点まで本人は体調に不安を抱いていなかったことになる。降板の発表は5月11日だった。
4月27日には深田恭子(40)と福原遥(24)がダブル主演するTBS「18/40~ふたりなら夢も恋も~」(火曜午後10時)が発表された。この枠では現在、橋本環奈(24)主演の「王様に捧ぐ薬指」が放送されている。その第2話の放送が済んだばかりだった。新旧の連続ドラマの記事が同じ時期に掲載された。
同じ27日には伊藤沙莉(28)が主演するテレ朝「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(火曜午後9時)の発表の発表が行われた。5月に入ると、1日に杉野遥亮(27)主演のフジ「ばらかもん」(水曜午後10時)、同7日に赤楚衛二(29)主演の日本テレビ「こっち向いてよ向井くん」(水曜午後10時)がそれぞれ発表された。3人ともプライム帯(午後7~同11時)での連続ドラマは初主演となる。
早い。春ドラマが盛り上がってきた時期なので勿体ない気がする。もっとも、各局とも発表のスピードを競っているわけではない。早く発表せざるを得ない事情があるのだ。
第一にテレビ誌対策。「週刊ザテレビジョン」(KADOKAWA)が3月に休刊(「月刊ザテレビジョン」と統合)になり、現在のテレビ誌の主流は月刊。夏ドラマの内容は5月20日過ぎに発売される「6月情報号」に速報として掲載される。この6月情報号に局側が夏ドラマの内容を載せたいと考えた場合、5月上旬までに発表しないと間に合わない。
5月中旬以降に発表される夏ドラマもある。昨年の場合、林遣都(32)と仲野太賀(30)がダブル主演した日テレ「初恋の悪魔」が5月22日、橋本愛(27)が主演した同「家庭教師のトラコ」が同25日だった。もっとも、両作品の記事はテレビ誌の6月情報号には載っていない。間に合わないのだ。
新聞の部数が徐々に減少し、そのテレビ欄を見て番組を選択する人も減る中、テレビ誌は計200万部以上ある。影響力は大きい。各局は出来るだけ目立つ形で新作連続ドラマの情報を掲載したい。そのためには発表を早めるしかない。
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