ワクチンを日本で処分したいファイザー、コロナバブルを続けたい日本医師会… 「5類移行」への不満を隠さない人々
「着用の緩和は、ひとつの失敗」
そして、そんな尾身会長とともに政府の施策に少なからず影響を及ぼしてきたのが“8割おじさん”こと理論疫学者の西浦博・京都大学教授である。厚生労働省クラスター対策班に所属していた西浦教授は「人との接触を8割減らして」と訴えかけて一躍名をはせたわけだが、彼もまた、5類移行を間近に控えるタイミングで、以下のように述べていたのである。
〈感染者数は現に増え始めており、第9波に入った状況といえます〉
〈第9波は第8波よりも大きくなることも覚悟しなければなりません〉
〈この3年間で、一番の反省点はこの緩和期です〉(すべて「毎日新聞」5月6日付朝刊)
また「週刊文春」5月4・11日号では、ジャーナリスト池上彰氏との対談で、
〈(マスク)着用の緩和は、ひとつの失敗だと思っています(中略)日本人の免疫状態はマスクの着用が求められている段階です〉
〈マスクを着用することで、経済が痛むといったマイナスがない、つまりトレードオフがない。なのに、なぜ、ここで自ら捨てるのか〉
などと説く有様だった。
“脅かし”の結果
感染症学が専門で医学博士の中原英臣氏が言う。
「西浦教授については、私は国内の『脅(おど)かし屋』のトップランナーだと思っています。そもそも2020年4月、会見で彼は『対策をしなければ約41万8千人が亡くなる』との試算を明かしましたが、国民皆保険でもなければウイルスの知識もなかった大正時代に大流行したスペイン風邪でさえ、日本の死者は約39万人でした。また現在、がんの死亡者数も年間で38万人ほど。それらの数字をなぜ上回るのか、あまりに現実離れしていて驚いたものです」
その“トップランナー”が疾走し続けたものだから、
「今でも街なかでは7~8割の人がマスクをしていますが、それも“脅かし”の結果でしょう。コロナが当初『2類』相当となったのは、ウイルスに未知の部分が多かったから。それがだんだん解明されてきて、致死率も結核やSARSなどよりはるかに低いと判明したのだから、もっと早く5類にすべきでした」(同)
その点を踏まえると、
「尾身会長などは“無責任の代表”でしょう。今になって『普通の病気ではない』とインタビューに答えるのはアリバイ作りでしかない。そもそも、そうした信念があるのならば『5類に下げるな』と、国に強く意見すればよかったのです」(同)
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