低迷する原巨人 ブリンソン、ウォーカーを優先的に起用すべきと考えるワケ【柴田勲のセブンアイズ】

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活躍が期待できるのはこの選手たち

 ルイス・ブリンソン、アダム・ウォーカー、この二人の打撃は捨てがたい。長打力が魅力だ。確かにブリンソンはボーンヘッドが多い。ここでは具体的な例を挙げないが、決める時は決める力を持っている。こういうタイプなのだと割り切って起用するしかない。

 ウォーカーだって、昨年は23本塁打を記録している。黙って使えば、それなりの活躍をしてくれると思う。

 この二人を優先的に使う布陣を考えるべきではないか。

 秋広優人は確かにいいものを持っている。ボール球を振らないように心がけている。だけどヘッドが出てこないタイプだ。130キロ~140キロ前半くらいの球には対応できても、それ以上となると長打が出にくいのだ。いわゆる前さばきができない。崩されやすい。

 いい打者は前でさばく。秋広は体が柔らかいし順応性もあるが、現在はこれ以上の期待は難しいのではないか。将来的にはもっと伸びていくだろうが。

 現状、やはりレギュラーの力を持った選手を優先して使っていく手だろう。打った、打たなかったは別にして、相手が嫌がるのはどんな選手かである。

 広島3連戦、中継ぎ陣にしても広島はイキが良かった。巨人にはそれがなかった。しかも大勢が2試合連続で救援に失敗した。相手も研究してくる。乗り越えてほしい。

 16日からヤクルト3連戦、20、21日は東京ドームで中日2連戦だ。村上宗隆も徐々に調子を上げている。要注意だ。

 とにかく、いまは原監督を中心に全員で踏ん張るしかない。次回こそ、威勢のいい話をしたい。どうしたら現状を脱出できるか。いろいろ考えてみた先週末だった。
(成績は15日現在)

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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