低迷する原巨人 ブリンソン、ウォーカーを優先的に起用すべきと考えるワケ【柴田勲のセブンアイズ】

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勝っても勢いは出ない

 巨人が上昇気流に乗ることができない。14日の広島戦(東京ドーム)、完敗して2カード連続の勝ち越しを逃した。今季20敗目となった。5位に居続けている。

 9日のDeNA戦でサイ・ヤング賞右腕、トレバー・バウアーを6回11安打7得点でKOした。チーム一丸の攻略だった。

 11日も勝って連勝した。これで勢いが出るはずなのだが、今季の巨人はそうなってくれない。勝ったり負けたりの繰り返しだ。

 さて、どうすればいいか。解決策はとなると正直言って妙案は出ない。とにかくなんとかして早く5割にしないとシーズンがきつくなる。

赤星の制球力の良さ

 14日の試合、赤星優志は1回、味方の失策で失点スタートとなったが、7回にライアン・マクブルームに満塁弾を浴びるまでは粘り強く投げた。

 1回の失策は2死一、二塁の場面で、松山竜平の二ゴロを吉川尚輝が一塁・岡本和真への悪送球となっているが、ここは岡本が体を一、二塁間方向に持っていく必要があった。三塁からの送球の捕り方だった。二塁方向からの送球を待つ形ではなかったと思う。

 こんなことがあっても赤星は自分の投球をしていた。最速150キロのストレートにシュート、カットボールなどの変化球を駆使していた。丁寧だった。気合も入っていた。

 結果的にマクブルームに甘い変化球を左翼席に運ばれたが、それまでは制球力の良さが際立っていた。

 13日は延長戦の末にサヨナラ勝ちをしている。本来はこれでチーム全体が波に乗ってもいいのだが、前述通りに今季の巨人はそうならない。 

 こんな時こそ、打線が奮起して赤星に今季初勝利をと思うのだが、ドリュー・アンダーソンの前に沈黙した。7回、1安打で無得点だった。今季2敗目だ。

 投げるべき人が投げているのだから、ここは打つべき人が打たないと話にならない。クリーンアップが計9打数1ヒット(3四球)では……原辰徳監督も頭が痛い。

坂本を外す気は無さそう

 明るいニュースとしては、腰痛の影響で今季から育成契約となっていた中川皓太投手が支配下登録選手に復帰し、早ければ今週中にも1軍合流の可能性が出てきたという。

 また、右太もも肉離れから復活を目指す中田翔が20日の中日戦(東京ドーム)から1軍に復帰する可能性があると聞く。でも、打撃はなんとかなっても走塁は大変だろう。守備だって本来の動きができるかどうか疑問だ。それに肉離れは癖になりやすい。30日からの交流戦から「DH」での起用となるのではないか。

 現在、巨人は9日から岡本を一塁で起用している。三塁にはドラフト4位ルーキーの門脇誠が入っている。中田の離脱を受けてのことで、岡本が4年ぶりに一塁となった。

 坂本の一塁コンバートがよく話題になる。そうすると門脇を本職である遊撃で使える。三塁はもちろん、岡本だ。

 だが、原監督は坂本がまだまだ遊撃でいけると踏んでいるようだし、最近は打撃が向上してきた。それに本人もこだわりを持っている。一時でも外す気はないとみた。

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