ドローン対策は?G7広島サミットの現場を見て、元公安警察官が感じた警備の問題点
AI「のドローン」
各国首脳は、日本三景の島として知られる宮島も訪れる予定だ。
「宮島は道路が狭く、商店街もあります。かなりの数の警察官を配備しなければならないでしょう。沿道にはセーフティーコーンでブースを作り、沿道にいる人たちを金属探知機で検査してブースの中に囲むことになります。先日、岸田首相が狙われた和歌山での事件を踏まえ、火薬探知犬も配備すべきだと思います」
広島サミットの警備で重要なのは高所警戒だという。
「宇品島から広島市街を見ると、高いビルがいくつかありました。高所警戒が必要となります。スナイパーが潜んでいないか調べなければいけませんし、カメラを設置しているかもしれません。テロリストがカメラで会場の様子を見て、ドローンを操作する可能性があります」
宇品島のすぐ近くには、金輪島もある。
「金輪島には大きな森がありました。木の上にスナイパーが潜んでいたり、カメラを設置しているかもしれません。その辺りも事前に調査すべきでしょう」
ドローン攻撃を防ぐために、どのような対策を行うべきか。
「最大の対策はジャミング(妨害電波)です。これでドローンは操縦不能になります。クレムリンに飛来した2機のドローンは、ジャミングが間に合わなかったのかもしれません」
ドローンの中には、リモコン操縦ではなくAIで飛ぶものもあるという。
「AIで操縦するドローンだと防ぐのが難しいですね。勝手に目標まで飛んでいくのですから。その場合は網を装着した警察のドローンを飛ばして捕獲するしかありません。警視庁の機動隊は10隊ありますが、各部隊に3名ほどドローンを操縦できる隊員がいます。現在、ドローンを捕獲する訓練をしているそうです」
5月9日、サミット会場の上空で気球が浮かんでるのが目撃された。
「これは2019年のG20大阪サミットで使われた警備用の気球です。カメラを搭載し、ドローンを監視するのが目的と思われます」
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