祖父母の「孫費用」は年間75万円！　少子化を救う「孫育て」のカギはお金？

親が正論なら祖父母はダークサイド

　親の次に身近な祖父母は子どもの成長には「手も出し、口も出し、愛情も」という最強の応援団です。祖父母は親とは違ったスタンスと価値観で孫の成長の可動域を広げる能力も持っているのです。

　ここからは私の内緒話です。孫娘が0歳の頃、無添加ベビーフードしか食べさせないわが娘の目を盗んではマクドナルドで孫とばあばの女子会を開催。パンケーキ、フライドポテト、アイスクリーム。未知を味わった初体験に輝く孫の笑顔はたまらないものがありました。もちろん、母親には真実は告げていません。

　危ないからと公園の遊具を禁止されていた1歳10カ月の孫息子を預かった時は放し飼い状態。高い滑り台にホイホイ登らせて、猛スピードで滑り降りさせ、1メートルほど吹っ飛んだけど、起き上がった時の誇らしげな表情は、私の生涯の宝です。

　親が正論なら祖父母はダークサイド。親の見ていないところで孫にこっそり「悪」や「うそ」や「裏道」を教えるのも「孫育て」の一つだと思っています。長じて後、「じいちゃん、ばあちゃん、やるな」と何かに役立つのなら、祖父母冥利に尽きます。

宮本まき子（みやもとまきこ）
家族問題評論家。1947年生まれ。津田塾大学アメリカ研究科卒業。翻訳などの仕事をしながらカウンセリングを学ぶ。79年より22年間、主婦の友社電話相談室で子育て、家族問題などを担当し、2万件の相談をうける。99年より山梨大学非常勤講師。『孫ができたらまず読む本』『団塊世代の孫育てのススメ』等の著書がある。

週刊新潮 2023年5月4・11日号掲載

特別読物「家族で揉めないカギはお金にあり！ 少子化日本を救う『孫育て』」より

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