家庭も心身も不調の52歳夫がジムのトレーナーと不倫を始めて“大自信”に…唯一の気がかりは彼女の部屋で知った驚愕の事実

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写真に写っていたのは…

 彼女は「迷惑かけないから、気が向いたらまた会って」と言った。けなげでかわいかった。心がかきむしられるような思いになって彼女を抱きしめ、部屋をあとにしようとしたとき、本棚にある写真立てに目がいった。そこには彼女と、もうひとり高校生らしき女の子が写っていたのだ。

「娘でした。ひっと息をのんだまま身動きとれないほどびっくりした。この写真はと聞くと、『かわいがっている高校時代の後輩。彼女は親に反対されて体育関係には進めなかったの。最近、あまり会えてないけど連絡はとりあってる』と。僕の娘だとは言えませんでした」

 娘と親しい女性と関係をもっていると考えると、そら恐ろしかった。それでも彼女との関係は続いている。つい先日、つきあって1年になった記念に彼女がほしがっていたピアスを贈った。

「娘にだけは知られてはならない。それがわかっているのに彼女との関係をやめられない。それどころかますます彼女に惚れ込んでいる。先のリスクがわかっていながら、自分を止めることができないんです。苦しい、でもうれしい。そんな気持ちです」

 何もかもわかった上であえて危険な道を歩く。半世紀を生きてから恋にはまった彼は、どこか幸せそうにも見えた。

前編【没交渉だった兄の死を知った妻は激しく動揺…更年期障害で苦しむアラフィフ夫が抱いた疑念に彼女が見せた反応は】からのつづき

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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