没交渉だった兄の死を知った妻は激しく動揺…更年期障害で苦しむアラフィフ夫が抱いた疑念に彼女が見せた反応は

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妻は必死の弁明も…

 今までの自分の人生は何だったんだと皮肉な思いがわき起こってきた。20数年前、自分は愛情と勘違いして、同情で結婚しただけだったのではないか。妻はその同情をいいことに、いつからか以前婚約していた兄とヨリをもどしたのだろう。

「子どもたちは本当にオレの子なのか。思わずそう言ってしまいました。妻は泣きながらも『ひどい』と睨みつけました。でも僕がそう思うのも当然でしょう」

 自分が傷ついた瞬間、思わず反撃して相手を斬ってしまったことに当の雅和さん自身がその後、自己嫌悪に陥ったという。少し落ち着いてから、妻は「あなたのおにいさんに会ったのは一度だけ。私は今、幸せだと伝えただけ」と言ったが、雅和さんは信じられなかった。兄が亡くなったと告げたときの珠希さんの驚き方が尋常ではなかったからだ。

「必死に弁明する妻の姿を見て、そこまで兄のことが好きだったのかとしか思えなかった。だから言ったんです。『もういい、わかったから』って。あなたは信じていないと責められましたが、どうして僕が責められるのかわからなかった。妻は自分が責められていると感じたとき、とっさに攻守を変えて自分が被害者のように振る舞うことがある。それは以前から感じていました。だからもう話は打ち切ったんです」

 だが、そのことが彼の心身の不調をさらに悪化させる大きな一因となったのは間違いない。

後編【家庭も心身も不調の52歳夫がジムのトレーナーと不倫を始めて“大自信”に…唯一の気がかりは彼女の部屋で知った驚愕の事実】へつづく

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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