維新が推進するIR、埋め立て地にアスベストが潜む可能性 ろくに調査がされていない現状

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“やっている感”

 とはいえ“抜け穴”が。

「吉村知事はコロナ禍で矢継ぎ早にコロナ対策を表明し、ニュース番組に取り上げられ続けた。府民の目には“頑張ってるやん”と映り、彼に肯定的な空気が満ちていった」(吉富氏)

 知事が打ち出した「大阪発のワクチン開発」も「イソジンが効く可能性」も、結局は空振りに終わった。それでも“やっている感”で人気は高まった。

 いずれにせよ維新の勢力は底上げされ、順風満帆の吉村知事。ところが目下、その“底”に大きな穴をうがちかねない火種がくすぶる。

788億円の使途に目が届かない恐れ

 それは、きたる25年の大阪万博開催後、29年秋にもIR(統合型リゾート)が開業する見通しの、大阪湾に浮かぶ大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)にまつわるものである。

 さる市政関係者が言う。

「島は市の港湾局が埋め立てた造成地をIR事業者に賃貸する形です。しかし、賃料は年間わずか約25億円。破格の安さなんですよ」

 それだけでは済まない。

「大阪湾奥部は淀川から砂が運ばれるため水深が浅く、航路確保のために定期的に浚渫(しゅんせつ)を行います。その浚渫土砂を捨てる場所が夢洲なのですが、浚渫土と一緒に建築材のガラや残土が埋められ、他に産廃が棄てられる一画などもあって、以前から土壌汚染の心配が指摘されてきたのです」(同)

 この点、市は土壌対策費や液状化対策費として上限788億円を、MGMやオリックスなどが出資するIR事業者に支払う予定だが、

「市として土壌対策に直接当たるのではなく、費用をもらい受けた事業者が自由に手立てを講じる仕組みのため、使途に目が届かない恐れがある。港湾局は788億円について“税金じゃない。公金だ”と言い張っていますけれど、これぞ悪い冗談です」

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