「働かない社員」がいた方が企業は存続する? 数理物理学者が提言「社会には無駄な3割が必要」
「一定の無駄を確保せよ」という自然からの警告
企業活動はどうでしょうか。経済を回すのは大切ですが、回し方、経済活動の戻し方が重要で、臨界をしっかり見極めないと事故につながります。そして何よりも、これまで見てきたように3割の無駄を抱えながら進むのが結局は最も“効率的”なのです。にもかかわらず、ウイルスの猛威が収まると、また儲け至上主義に戻ってしまうのでしょうか。コロナ禍は、一定の無駄を確保せよという自然からの警告だったと思うのですが……。
ちなみに、アリの群れから働かないアリを取り除いても、しばらくすると働いていたアリの中の3割が働かなくなるそうです。つまり、3割の無駄は自然界の摂理なのです。
人類の歴史はたかだか20万年に過ぎない。1億年かけて積み上げてきたアリの知恵には到底及びません。生物を見れば答えはそこにある。人間の浅知恵でギチギチ詰めの社会に戻っている場合ではないと私は思うのです。
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