旧態依然としたアマチュア球界の問題点 「深夜まで雑用が多くて、練習ができない」と号泣する選手も
「日本ではマフィアが子どもに野球を教えているのか?」
日本体育大が“体育会イノベーション”というスローガンのもと、あらゆる雑用などを下級生ではなく上級生が行い、入学したばかりの選手の負担を減らすという取り組みが見られる一方で、それが話題になるということはまだ古い体育会の体質が残っている証拠とも言えるだろう。
最近では、大学を中退して独立リーグなどで野球を続ける選手が増えている。ただし、自分が辞めてしまうと、高校の後輩が、その大学に入れなくなるため、我慢して何とかやり過ごしたという話もよく耳にする。体質の古さは、高校野球以上という面もありそうだ。
さらに問題が多いと言われているのが、小学生や中学生の育成年代の野球だ。かつてロッテで監督を務めたボビー・バレンタイン氏が日本の少年野球の練習の様子を見て「日本ではマフィアが子どもに野球を教えているのか?」と思わずこぼしたという話を聞いたことがある。それくらい年端もいかない子どもたちに対しての体罰や暴言があったということである。
それから20年以上が経ち、変わっている部分は確かにあるものの、まだ子どもに対してのそういった理不尽な指導は一掃されていない。また少年野球では選手の引き抜きを防ぐという名目で、そのチームを退団しても同じ地区のチームには移籍できないというルールを設けているところも多いという。そうなるとチームの体質に合わなかった子どもはチームに入ることができず、結果として野球を辞めてしまうことに繋がるのだ。
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