MEGUMIも参加、映像集団「BABEL LABEL」はなぜ人気なのか

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 2019年6月に公開された「新聞記者」(スターサンズ、イオンエンターテインメント)、21年1月の「ヤクザと家族 The Family」(スターサンズ、KADOKAWA)、22年3月の「余命十年」(ワーナー・ブラザース映画)──この3本の映画の“共通点”をお分かりの方はいらっしゃるだろうか。

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 答えは、3本とも藤井道人氏(36)の監督作品であり、「BABEL LABEL」という“コンテンツスタジオ”の公式サイトにフィルモグラフィーとして記載されている。

 実はこのBABEL LABEL、映画業界だけでなくテレビ業界からも「今、最も勢いがある」制作会社として注目を集めているのだ。その理由を順に説明しよう。

 まず藤井氏だが、1986年、東京都渋谷区生まれ。高校3年生で映画監督を志し、日本大学芸術学部映画学科脚本コースに進学。在学中の19歳でプロの映像作家としてデビューし、CMやPVを手がける。

 2010年にBABEL LABELを設立。プロデューサーやディレクターが制作会社を立ち上げたところがポイントだろう。映画、CM、PVといった様々な映像を手がけるクリエイターが一つの会社に所属することで、企業としての存在感が高まることを狙ったと考えられる。

 藤井氏の知名度が最初に高まったのは、人気作家・伊坂幸太郎氏(51)の小説「オー!ファーザー」(新潮文庫)の映画化プロジェクト(ワーナー・ブラザーズ映画)に参加したからだ。監督と脚色を務め、14年に劇場公開。商業映画の監督としてデビューを果たした。担当記者が言う。

「デビュー後もコンスタントに作品を発表してきましたが、藤井さんの名が広く知られるようになったのは、やはり19年の『新聞記者』でしょう。東京新聞の望月衣塑子記者の原作(角川新書)を映画化、硬派なテーマにもかかわらず興行収入は6億円を突破。第43回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、松坂桃李さん(34)が最優秀主演男優賞、シム・ウンギョンさん(28)が最優秀主演女優賞、そして監督の藤井さんが優秀監督賞を受賞しました」

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