“還暦直前で初婚”モト冬樹が語る「晩婚のメリット」 結婚を決意させた妻の娘の一言とは?
“親友”に近い関係
でもこんな生活、40代の頃だったら耐えられなかったと思うよ(笑)。59って年齢だったから相手の生き方を尊重して自分の考え方を変えられたけど、若い頃だったら相手に腹が立って仕方がなかっただろうね。ましてや「自分にも至らないところが」なんて反省は、天地がひっくり返ってもできなかったはず。
もちろん、オレが変われたのは妻が人間的にかなりきちんとした人だったってのも大きい。何せ、40代までオレが付き合ってきたのって、結婚に向かないオンナばっかりだったから。昔、スポーツ紙に“モトはセックス中毒”なんてありもしない悪口を書かれたこともあったけど、本当に腐るほど変なオンナを見てきた。
なんていうか、スキがある女性の方が色気があると思っていたんだね。一目見たときに“こいつ絶対結婚に向かねえな”と思うんだけど、そういう危ない雰囲気のオンナを好きになってしまう。結局、男なんて若い頃は女性の胸か顔しか見ていないんですよ。でも、女性のそういう“魅力”って結局3年もすれば飽きちゃうし、すぐに目移りしてしまう。一方で性格やら価値観やらが合う人っていうのは飽きるもんじゃないし、その人を超える人もそうそう現れない。妻はオレにとってそういう女性だった。どちらかというと“親友”に近いかな。変なオンナをたくさん見てきた分、その目利きには絶対の自信を持っていますよ(笑)。
ベッタリ依存するのはやめた方がいい
そういう意味では、オレにとって59って年齢は結婚適齢期だったのかもしれないね。それよりも前に結婚していれば、絶対に失敗していたと思います。
むしろ、今じゃあ妻の方が社交的ですよ。東京に友達もたくさんできて、しょっちゅうゴルフだなんだと出かけて行く。コロナ禍だったこともあって“オレという高齢者が自宅にいながら不用心な”と腹も立ったけど、別に不義理をしているワケじゃなし、今じゃ何も気になりません。
時々、何をするにも奥さんにベッタリな旦那さんなんかいるでしょう。ああいうのは絶対にやめた方がいいよ。変な話、あんまり依存しすぎると、相手が先に逝ってしまったときに自分も後を追うようにすぐにダメになってしまう。
なんでそう思ったかって、うちの両親を見ていたから。もう父も母も亡くなってしまったけど、うちの両親はあんまり夫婦仲が良くなくて。で、先に母親が逝ってしまったんだけど、親父は後を追うどころか逆に元気になっちゃってさ。
うちは両親と違って至って良好な夫婦仲なんだけど、お互い独立の人格だと思っているし、妻がいなくなったからって生活できなくなるわけじゃない。自分で料理もできるし、洗濯だってしている。そういう気の持ちようが大事だってこと。
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