鈴木京香が語る「ル・コルビュジエの弟子の名建築を買った理由」 土地だけでも3億円以上か
土地だけでも3億円以上?
近所の不動産業者によれば、この周辺は坪単価で500万~600万円が相場だとか。この住宅の敷地は約60坪だから、相場通りなら土地だけで3億円以上もすることに。いくら大女優とはいえ、ハードルは低くない。
「連絡した時は、まずは見学だけで、と思っていたんです」
と、再び説明するのは、鈴木京香ご本人。
「ですが、拝見しているうちに、こんなにしっかりしていて、かわいらしい建物が取り壊されるなんて……と思うようになりました」
実は鈴木は、コルビュジエ、吉阪両者に“縁”があったという。
「フランスのロンシャンにコルビュジエが設計した礼拝堂があり、以前、訪れた時に“素敵な建物だなあ”“良い時間を過ごせたなあ”と感じました。その後、ヴェネチアで行われた国際美術展に行った際、吉阪の設計した日本館も見学しました。その後に、取り壊しのことを知り……」
「9月9日の公開を」
内覧の際には、実物に、ロンシャン礼拝堂へのオマージュも強く感じたとか。
「偶然にも、素敵なご縁をいただけた。厚かましいようですが、巡り合わせを感じ、購入を決めました。もちろんその分、責任も感じていますが……」
所有権が移ったのは、一昨年6月。とはいえ、実際に住むわけではなく、修復を進め、一般向けに公開する予定だという。
「できる限り、建てた時の姿に戻し、建築を勉強している方や、吉阪ファンの皆さんにじっくりと見ていただけるようにしていきたいです。一度に数人しか入れないですから、予約制にして、例えば45分とか1時間など時間を区切って見学していただこうか、などと考え、いろいろな方に相談しているところ。『クゥクゥ』にちなんで9月9日の公開を目指しています」
この3月には文化庁の建築文化に関する検討会議の委員にも入った鈴木。
「引き受けさせていただいたからには、建築の魅力や、それを継承することの大切さについて意識を広げるお手伝いをしていきたい」
女優に加えて選んだ「管理人」の道。