鈴木京香が語る「ル・コルビュジエの弟子の名建築を買った理由」 土地だけでも3億円以上か
女優の鈴木京香(54)が、4月19日、日本建築学会の文化賞に選出されたことが発表された。解体の危機にあった名建築を購入したことが評価されたのだが、なぜ彼女はこの住宅に注目したのか。ご本人が語った。
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「このような賞を頂戴するなんて思いもよらないことでした」
と、鈴木京香はあの落ち着いた口調で言う。
「もともと私はアートが好きで、旅先でも時間を割いて建築物を見学するのが趣味でした。この賞がどれだけ素晴らしいものか存じ上げていて、自分にはかけ離れていると、初めは辞退申し上げたんです」
けれども、と続ける。
「“文化賞という部門はプロの方だけが対象というわけではなく、建築文化向上への貢献とお考え下さい”との説明があり、厚かましいと思いつつもお受けすることに決めました」
彼女の受賞理由は、取り壊しの危機にあった渋谷区は西原にある住宅「ヴィラ・クゥクゥ」を購入、改修を行っていること。この邸宅は、近代建築の巨匠・コルビュジエに師事した建築家、故・吉阪隆正の代表作のひとつである。
「HPに載せると鈴木さんから電話が」
もともとここは、早稲田大学教授を務めた仏文学者夫妻の住居だった。教授はこの地に家を建てるに当たり、大学の先輩である吉阪に設計を依頼。吉阪は当時日本では建築素材として珍しかったコンクリートを用い、丸みを帯びたユニークな家を造り上げた。
以来六十余年、建築好きには知る人ぞ知るスポットとなっていた。教授のおいに当たる前オーナーが言う。
「伯父と伯母が相次いで亡くなり、子どもがいなかったため、おいやめいなどの代で相続し、管理していました。しかし、あそこは一等地。維持していくには負担が大きく、やむを得ず売却することにしました。さまざまな業者さんからお声がけがありましたが、どこも条件は更地にして引き渡すこと。しかし非常に価値のある建築物ですから、取り壊すわけにはいきません」
そこで貴重とされる住宅建築の継承活動を行う「住宅遺産トラスト」という一般社団法人に相談した。
同法人によれば、
「相続人の方からご相談を受け、HPに載せましたところ、鈴木さんから電話をいただきました。鈴木さんはもともと建築に興味をお持ちで、時々HPを見てくださっていたそうです」
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