日本人投手にはマネできない…DeNA「バウアー」の独特過ぎる練習法に若手は羨望の眼差し

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心配事はやはり…

 バウアーは11年のMLBドラフト会議でダイヤモンドバックスに1位指名され、翌12年6月にメジャーデビューを果たしたが、首脳陣と衝突し、同年オフにトレード放出されてしまった。だが、移籍先のインディアンスは寛大だった。「オレ流」を貫くバウアーのスタイルも受け入れ、逆に首脳陣が「そんなに良いトレーニング機器があるのなら、ウチも取り入れようか」と聞きに来ることもあったという。

 しかし、このレッズ時代の2019年7月、バウアーは騒動を起こしてしまう。

「降板を告げられた際に、自身の投球への怒りから、外野スタンドにボールを投げ込んだ件は有名です。この年、バウアーは思うような結果を出せず、チームの資金力の関係で『放出は時間の問題』と見られていました。すでに不起訴となっていますが、ドジャース時代に起こった知人女性へのDV疑惑もありました。米国はDV(ドメスティック・バイオレンス)に関して厳しい見方をします。彼はこの件で出場停止処分を下されました。不起訴になったとはいえ、ドジャースが復帰を許さなかったのはそのためです。どうも彼は、ストレスが積もると、自分を制御できなくなるようで、日本でも同じことが起きなければいいのですが」(米国人ライター)

 DeNAへの入団会見でも、「MLBが契約してくれないから、日本に来たんだろ?」とキツイ質問をする海外メディアもあった。

 もっとも、「チームの寛大さ」では、DeNAもインディアンスに近いものがある。12球団全てのロッカールームがそうだとは言わないが、試合の前後で、ベテランが睨みを利かせ、冗談も言えずに黙々と着替えをしながら、若手選手がピリピリしている、という球団も少なくない。しかし、DeNAはBGMを流し、フロントの職員も定期的に顔を出して選手たちと話している。経営陣も若いからか、ファンサービスなどについて、現場の意見をそのまま採用するケースも多い。

「米メディアは三浦大輔監督(49)にも興味津々です。現役時代のニックネームが番長(school gang leader)でしょ? バウアーが感情をコントロールできなくなったときや、イニング途中での交代を告げる際、どうやって抑えるのかって」(前出・同)

 その三浦監督は巨人戦にノックアウトされた9日の試合後、淡々とした口調で「状態を確認しますが、次回も予定通り」と、5月14日の阪神戦での先発を示唆した。信頼は変わらないというわけだ。

 1998年以来となる優勝、日本一を目指し、首位快走中だ。バウアーは優勝の牽引役となれるのだろうか。

デイリー新潮編集部

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