絶好調「吉田正尚」 辛口「ニューヨークメディア」もヤンキースファンの本音を紹介する“異例の扱い”

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週間MVPにも選出

 5月7日(日本時間8日)のフィリーズ戦で、レッドソックスの吉田正尚(29)が「16試合連続安打」をマークした。開幕戦からまだ1ヵ月を過ぎたばかりだが、「16試合」は今季の最長記録であり、米メディアは大きく取り上げ、称賛していた。

 翌8日にはア・リーグの週間MVPに初選出。6試合出場で打率4割8分(2本塁打)、8打点、長打率8割、出塁率5割1分9厘という成績である。

「メジャーリーグ全般も投高打低の傾向にあるため、関係者は吉田の活躍に驚いています。米国では無名に近かった小柄な日本人選手が、パワーで屈強なMLB投手を打ち負かせている様子は爽快ですよね」(米国人ライター)

 吉田がレッドソックスと大型契約を結んだのは、昨年12月。MLB30球団の関係者が一堂に集まり、トレードやフリーエージェント選手の獲得交渉を行うウインターミーティングが始まって3日後のことだった。急なこともあり、当初は、

「もっと他にも良い選手がいるだろう?」

「守備も巧くないのに…」

 と、MLB関係者や米メディアも、吉田の評価は決して高くはなかった。

「5年9000万ドル(約117億円)という、破格の契約金も批判の一因でした。レッドソックスは吉田の所属していたオリックスへの譲渡金として、1537万ドル(約20億円)も払うことになったのですから」(前出・同)

 身長173センチ、体重79キロ(公称)。野球選手としては小柄ながら、マッチョ・パワーで批判の声を称賛に変えたわけだが、「吉田エール」を送る中に、ニューヨークのメディアが入っているのが興味深い。

ヤンキースが吉田と千賀を獲得しておけば…

 NYの野球報道といえば、辛らつなことで知られており、加えて、NYを地元とするヤンキースとレッドソックスはライバル関係にある。当然、宿敵の選手を褒めることはまずない。ところが、

「ヤンキースはオフに吉田正尚の獲得を検討もしなかった」

「日本のスターコンビ、吉田正尚と千賀滉大(30)を獲得しておけば…」

 と、吉田の実力を認めるヤンキースファンの声を紹介しているのだ。

 そもそも、ヤンキースは外野手の獲得には熱心ではない。「強打の外野手はほぼ毎年、米FA市場に出る」と捉えているからだが、吉田が契約を結んだころのヤンキースと言えば、昨季ア・リーグMVP、本塁打と打点の二冠王に輝いたアーロン・ジャッジ(31)の慰留交渉という“最優先事案”を抱えていた。吉田獲得を検討する心理的、資金的余裕はなかったのかもしれない。

「そのジャッジと、ジャンカルロ・スタントン(33)などスター級の主力選手が故障離脱し、ヤンキースはここまで18勝17敗。現在ア・リーグ東地区の最下位です」(現地メディア関係者)

 この体たらくでは、ファンから恨み節が出るのも仕方あるまい。

「今や、吉田正尚より好調な打者はいない。オフに獲得を見送った複数のチームが、(吉田を)守備面でメジャーレベルではないと判断していたのに。いまの打ちっぷりなら、どこの球団も大歓迎なはずだ」(米スポーツ専門局ESPN/5月7日現地時間)

 地元紙・ボストンヘラルドも、チームメートのラファエル・デバース(26)の「アイツは天才だ。見ていて『どうやって打っているんだろう』と思ってしまう」というコメントを紹介していた(同日)。

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